>>689
小袋が語るデビューの経緯を読んでみような


小袋:柴咲コウさんとお互いにすごくいい形でお仕事ができて、それが終わった日に
南平台のデニーズでご飯を食べていたら、沖田さん(宇多田のデビュー時からのディレクター)から
電話がかかってきたんですよね。

—どういう連絡だったのでしょう?

小袋:宇多田さんのアルバムに参加しませんか、というオファーでした。

—その2016年の宇多田さんとの出会いから刺激になったことはありましたか?

小袋:ありますけど、他の人と変わらないですよ。いろんな人と会ったときと同じように、学びがある。
宇多田さんが特別だというのはない。

 ――宇多田さんと初めて会ったのはスタジオですか。

小袋:そうです。あいさつをして、レコーディングを始めたっていう感じで
「ホントにいるんだ」って思いました(笑)。

 ――このとき、宇多田さんから「自分で曲を作って歌ってみたら?」みたいな言葉はあったんですか。

小袋:覚えてないですけど、ディレクターやその場にいたスタッフが、(宇多田さんが)
「歌、作らないの?」ってスタジオで言っていたのを覚えていたらしいです。


 ――宇多田さんが今作のプロデュースを手がけた具体的ないきさつは?

小袋:宇多田さんはレーベルの移籍で結構バタバタされていて連絡とれてなくて……
移籍発表のころはデモが出来上がっていて(宇多田さんのディレクターやスタッフに)
聴かせてみたら、同じソニーのチームでやれたらどうかと。
プロデューサーっていうのも、僕が頼み込んでという話じゃないです。
ちゃんと(宇多田さんが自分から)言ってくれたんだと思っています。

 ――宇多田さんとのやり取りとか現場の雰囲気って、どんな感じで進むんですか?

小袋:直接会うことはないです。メールのデータやり取りがほとんどですね。
ただ、“E. Primavesi”を録ったときは、クリス・デイヴ(世界的に活躍するドラマー)と、彼女が録る現場の空いた時間を借りてやったんです。
そういうときにしか宇多田さんと直接は話せなくて。

―自分にとって大きかった出会いを挙げるならば?
小袋:宇多田さん以上に沖田さんが大きいです。実際に今は僕のディレクターもやっているし。
アルバムで語りをしてくれてる友人2人との出会いも大きかった。