命とは尊いものだ。
そして、我々はその命を自らの生命の糧としている。これが、あらゆる宗教に
ア・プリオリの本源的な営みでもある。
しかし、勇者は、己の力を誇示せんがために、憐れな小さな命を虫ピンでとめ、
その姿を写真に撮り、あらんことか世界中に写真日記で晒した上で、
そのはらわたを同胞(訳者注:はらから)に処理させ、羽をむしり、屠るのだ。
時にはハシボソカラスを、時にはヒヨドリを、そして時にはキシバトを、、
さらに、その一部始終を、あたかもハラスメントの様に撒き散らすのだ。
これでは勇者の所業ではなく、蛮族のそれである。しかし、それが戦記には
わからないのだ。無理もない、準会員なのだから、
(後桜蔭戦記 第6章8)