【ワシントン=加納宏幸、ニューデリー=岩田智雄、ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり、中国と北朝鮮が米国に対し“共闘”の形で揺さぶりをかけている。

 米ニュースサイト「ワシントン・フリービーコン」は22日、米中間の「外交・安全保障対話」で、米韓合同演習を中止する代わりに北朝鮮が核・ミサイル実験を中止する案を中国側が提案したと伝えた。北朝鮮との対話の条件とする狙いとみられる。

 米側は過去に同様の取引で核放棄を実現できなかったとして拒否したという。

 一方、北朝鮮のケ・チュンヨン駐インド大使はインドのテレビ局「ウィオン」が21日夜に放送した番組で、米韓軍事演習中止などを条件に「核実験とミサイル実験の凍結について話し合う意思がある」と述べた。

 対話の意思を示し、圧力を強めるトランプ米政権の出方を探る狙いがありそうだ。

 トランプ政権は対話の前提として北朝鮮の核放棄を主張しているが、ケ氏は、核・ミサイル開発をやめると公式に宣言するといった前提条件は「受け入れられない」と述べた。

 ケ氏が米韓軍事演習の中止を対話条件に挙げたことに対し、韓国国防省報道官は22日の会見で「一顧の価値もない」と一蹴している。

http://www.sankei.com/world/news/170623/wor1706230003-n1.html