韓国で反日ムードが高まると、たびたび目の敵にされるのが「旭日旗」だ。
「軍国主義の象徴」「ハーケンクロイツと同じ」として、旗そのものだけではなく、旭日旗に似たデザインはことごとく批判の対象にされる。
最近では、ズワイガニバーガーの包み紙に描かれたズワイガニのデザインが旭日旗に見えると問題視するオンラインコミュニティの書き込みもあった。
しかし、ジャーナリストの水間政憲氏は韓国の「旭日旗狩り」は根本的に間違っていると指摘する。

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韓国人は旭日旗を見ると冷静な判断ができなくなるようだ。
韓国で4月に行われたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の川崎フロンターレ対水原三星ブルーウィングス戦。
川崎のサポーターが持ち込んだ「旭日旗」を水原の試合運営担当者が没収し、試合終了後に水原サポーターが川崎側の出口を塞ぎ一触即発の状態となった。
韓国メディアはまた「軍国主義の象徴だ」などと書き立て、大韓サッカー協会会長も「アジア各国が多く被害を受けた戦犯旗は容認できない」とコメントした。

韓国では、以前から海上自衛隊の自衛艦旗に旭日旗を使用していることも批判していた。
川崎の件と時期を同じくして、日本近海に展開する米艦護衛任務で出港する護衛艦「いずも」が報じられた際、旭日旗を掲げていたことも韓国人を刺激した。
韓国のネットでは「いずも」の旭日旗に「国際法違反だ」との意味不明な批判を言い出す者までいた。

韓国では約6年前から、旭日旗を使用する行為への批判が活発になり、3年前には、旭日旗をはじめとする「日本の帝国主義を象徴するもの」の製造、公共の場での使用を禁じた「旭日旗禁止法案」が審議された(国会の会期切れで廃案)。
そして最近また「旭日旗狩り」が過熱しているのだ。

◆「似ている」も批判の的に

昨年8月14日には、韓流アイドル・少女時代のメンバーがSNSに旭日旗模様のスタンプを使用したことで批判が殺到。
翌日、本人が謝罪文を掲載したものの、TVのレギュラー番組は降板に追い込まれた。

同年8月、韓国鉄道公社の観光列車でも騒動が起きた。
食堂車に世界的なポップスターのアルバムジャケットを展示する趣向だったが、そのうちのひとつ、米アイドルグループのアルバムが問題になった。
赤いハートマークを中央に据え、周囲に紅白のラインが放射状に配置されたデザインだったのだ。
旭日旗ではないが「旭日旗に似ている」ことが許せなかったらしい。

なぜ韓国人は旭日旗にここまで感情的になるのか。その典型的な理屈が「ナチス党旗ハーケンクロイツと同じ侵略の象徴」というものだ。
アジアサッカー連盟も「人種や政治的信条による差別の禁止規定に違反」との理由で川崎に制裁を科した。
旭日旗は、1870年に「陸軍御国旗」として正式採用され、1889年に海軍の「軍艦旗」としても採用された。
現在は「自衛隊旗」及び「自衛艦旗」だけでなく、大漁旗や出産、節句の祝い旗など、日本国内で広く使用されているものである。

ハーケンクロイツは「ドイツ民族の優位性」をイメージしたデザインで、侵略的な思想と結びついているのに対し、旭日旗は日の丸をベースとして太陽の光を表現したものだ。
もちろん旭日旗に侵略的な思想などない。韓国側の批判は当てはまらないのだ。

◆かつては憧れの象徴だった

朝鮮半島では、大日本帝国陸軍が清国軍を打ち破ったときの「軍旗」が旭日旗だったため、中国から朝鮮独立を認めさせた“象徴旗”として称えられていた。
当時の韓国人たちが旭日旗を憧れの対象としていた証拠写真がある。
『SAPIO』2014年3月号でも紹介したスクープ写真を、改めて振り返っておきたい。

『アサヒグラフ』1938年10月19日号の朝鮮人特別志願兵の特集ページでは、旭日旗を掲げて行進する4300名の「朝鮮聯合青年団」の写真が掲載されている。
当時、朝鮮人にとって50倍前後の倍率の志願兵に選抜されることは、大変な名誉だった。
志願兵に採用されなかった全朝鮮の若者15万人は「朝鮮聯合青年団」を組織した。4300名はその代表だ。
また、難関を突破した朝鮮人特別志願兵たちも、「旭日旗」を掲げて整列していた。

現在は違う認識を持つ韓国人が多いとしても、当時は日本人とともに戦いたいと希望する若者たちが多くいたのも、旭日旗を振りながら日本の行いを称えていたのも歴史的事実なのだ。
旭日旗批判は、韓国人にとって先祖たちの行いをも批判・侮辱する行為だと知るべきだ。
今後も旭日旗狩りを繰り返すならば、同胞をも批判するその覚悟を示すべきである。

http://news.livedoor.com/article/detail/13261805/