ドイツでのG20(20カ国・地域)首脳会合を前に、安倍晋三首相と、ドナルド・トランプ米大統領、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による日米韓首脳会談が6日開かれた。

 北朝鮮への圧力を強める方針で一致したが、文氏は会談直前、南北首脳会談の実現を訴えるなど、「従北」姿勢をあらわにした。北朝鮮の脅威が増大するなか、現実を直視しない“韓国抜き”で、日米両国が北朝鮮封じ込めを進めるしかなさそうだ。

 「ICBM(大陸間弾道ミサイル)発射は、北朝鮮が真剣に対話をする意思がないことを示すものだ。国際社会による圧力を一段引き上げる必要がある」

 安倍首相は、約75分間行われた首脳会談で、こう述べた。3首脳は、国連安全保障理事会の決議による、対北朝鮮制裁の履行を徹底することが重要との認識で一致した。

 米国は6月末、北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、中国の銀行を制裁対象に指定し、米金融機関との取引を禁止すると発表した。首脳会談では、この決定についても、日韓両国が米国と連携する方針を確認した。

 一見、3カ国で北朝鮮への圧力強化を打ち出したかのように映る。だが、これまでも北朝鮮への宥和発言を繰り返してきた文氏はドイツでも、「妄言」を繰り出した。

 聯合ニュースによると、文氏は6日、ベルリンで行った演説で、「朝鮮半島の平和と南北協力のために北との対話が必要だ」と述べ、「条件が整い、朝鮮半島の緊張と対立の局面を転換する契機になるのであれば、いつ、どこででも金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会う用意がある」と話した。

 北朝鮮との対話を訴えたかと思えば、日米との首脳会談では北朝鮮への圧力強化の方針を打ち出す。文氏の行動にはまるで一貫性がない。

 当然、安倍首相もトランプ氏も「極左・従北政権となった韓国は頼りにならない」と理解しているが、大丈夫なのか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「会談は表向き『日米韓で〜』と取り繕っているが、内実は文氏がそっぽを向いているということだろう」と指摘する。

 G20首脳会合では、北朝鮮に対する強いメッセージを出すとみられるが、藤井氏は「欧州各国も言葉の上では同調しても、真剣にはやらないだろう。実際は日米で北朝鮮に圧力をかけていくしかない」と話している。

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対北での連携を確認した日米韓の首脳だが、文在寅氏(左)は違う方向を向いているようだ=6日、ハンブルク(AP)