構造生物学の権威であるキム・ソンホ教授。(写真=仁川大学) 

  「私と家族が病気から苦痛を受けず、社会と国はその費用を負担しなくても良い世の中を作ることが夢です」。 

  仁川(インチョン)大学碩座教授と融合科学技術院長として招聘された米UCバークレー大学のキム・ソンホ名誉教授(79)の話だ。 

  1937年に大邱(テグ)で生まれた彼はソウル大学化学科と同大学院を卒業した。62年に米国に渡り66年にピッツバーグ大学で物理化学博士号を取り、デューク大学医学部生化学教授を歴任した。このころに米国の市民権者になった。その後90年代初めにがん発生遺伝子であるRas蛋白質の構造を明らかにし、世界で初めて暗号化された遺伝子(ゲノム)情報を翻訳した。現在「韓国系でノーベル賞に最も近い科学者」と評価されている。 

  彼は10日のインタビューで「がんを初期に発見すればほとんど完治するが、そうでなければがん細胞が手のほどこしようもなく広がることになる。個人と家族には苦痛を、社会と国には費用負担を与える。韓国人のゲノムデータ分析を通じ現代医学の限界を克服することが目標」と話した。 

  続けて「韓国のさまざまな病院と企業が保有する情報を収集し、個人ごとの遺伝的・環境的・ライフスタイルなどで分析すれば韓国人固有の遺伝子情報を得られるだろう。これを基盤にがん予防と新薬開発だけでなく早期診療と治療が可能になるだろう」と話した。 

  彼はまた「現在世界の遺伝子情報は白人中心にされている。韓国人の遺伝子分析結果は特定人種ではない多様な人種の遺伝子情報を確保する契機にもなるだろう」と話した。

  キム教授は今回ともに招聘された遺伝子研究の権威であるイ・ミンソプ教授とともに「大容量遺伝子情報を基盤にマシンラーニングと人工知能を利用した新たな分析方法を開発する。疾病予測、新薬開発、治療など多様な分野に適用できる技術を開発する研究を優先していくだろう」と話した。彼は「仁川大学がバイオ研究中心大学を宣言した。病院と企業が連携した世界最高のバイオ研究大学に育てる」と約束した。 


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[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]2017年07月11日 09時54分