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中国科学院は5日、核融合実験炉「Experimental Advanced Superconducting Tokamak(EAST)」を使った実験で、
101.2秒間に渡ってプラズマを封じ込め、ロングパルスHモードの条件下におけるプラズマ封じ込め時間の世界記録を更新した成功したことを発表した。
同院によるとこの間のピーク温度は50,000,000 K(50,000,000C)に達した。

中国科学院は2016年2月にもEASTを使った実験で、102秒間のプラズマ封じ込めに成功したことを発表していた。
2016年の実験と今回の実験とでは、実験条件の差異が生じており、同院は、今回の実験の方の重要性を強調している。

中国科学院は今後も実験を続けていくことで、核融合反応達成に必要となるプラズマを封じ込め時間、1000秒達成の達成を目指すとしている。
その上で中国科学院は、実験炉での核融合反応達成後は、世界初の実用核融合炉の建造に移行することを予定している。

これまで中国は、他の先進工業国に比べて科学技術分野の支出額では大きく遅れを取っていたが、最近になり、EUを超えて米国と並ぶ水準にまで躍進。

核融合研究は、米国では、MITのトカマク型核融合実験炉「Alcator C-Mod」がリードをしていたが、
連邦政府の予算停止措置により、2017年度以降の実験実施はメドが立たない状況ともなっている。

当初、米国内では、核融合は、原子力に代わる次世代のエネルギーになるとの見方から、核融合研究に連邦予算を重点的に配分する政策が取られていたが、
その後生じた風力や太陽光などのクリーンエネルギーブームの到来により、核融合研究のウェイトは政策的に下げられる状況となっている。

一方、中国は核融合とクリーンエネルギーの両方に投資を行っており、中国が核融合分野に投じている予算は、
他の先進工業国の全ての核融合関連基礎研究費の総額を上回っているとも見られている。

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