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続きがあった

「人生かくも初見の如し」という詩句は清代の納蘭性徳と
いう詩人が書いたものだ。人生の中で意中の人と初めて出会
った時のような気持ちを持って人と付き合うべきだという意味と
して伝わっている。初めて出会った気持ちで相手の長所の方に注
目して、相手の話に興味を持って聞いて、お互いに温まり合い、
楽しみ合う。「初見」という言葉で距離感を強調する古人は、た
ぶん今の日本人と同じように、尊敬する気持ちを持って特別なや
り方で友を大切にしていたのだろう。

昔「礼儀の国」と絶賛されていた中国は経済の高度成長にとも
なって、焦って目先のものだけを求めているのかもしれない。「君
子の交わりは淡きこと水の如し」というような境地に戻るために、
もう一度、努力する必要がある。人と人のつながりを十分楽しむ
のは人生の喜びの一つであるが、微妙な距離を保ったとしても、親友になれないわけはないのだと思う。(編集/北田)