韓日両国首脳はドイツG20会議で両国間協力活性化に合意しシャトル外交を復元することにした。慰安婦問題は両側の立場が平行線のまま懸案として残された。韓国政府は日本との関係推進のための方案として慰安婦など過去の問題解決と実質的協力関係推進を分離するツートラック(two-track)政策を推進すると見られる。

事実、ツートラック政策は前政府も試みた政策だ。しかし、この政策は水面下に潜む両国間の過去の問題が日本側の妄言などを契機に浮上し、国民感情が噴出して両国関係が梗塞し、日本との実質的な協力関係の凍結が繰り返され、これまで効率的ではなかった。ツートラック政策の進展のためには過去の歴史解決と実質的な協力関係の推進努力をバランス良く進める政府と国民の冷静な(cool)理性的接近が必要と見られる。

日本との関係再設定に向けた私たちの冷静な接近には日本のアイデンティティの洞察が役に立つだろう。最初は、日本国内右傾政権の永続性だ。日本の近代化を成し遂げた明治維新の理念に政治的ルーツを置く右傾勢力は伝家の宝刀の富国強兵に永久に執着する可能性が高い。日本の良心勢力は過去の歴史を客観的視点で見ているが、日本社会の主流になって執権代替勢力に成長することは期待薄だ。

従って帝国主義時代に関する日本の右傾的歴史観は変わらないだろう。日本は過去の歴史を忘却したのではなく、本心では神国の栄光ある歴史と見ており、韓国の植民支配に関する反省と謝罪は真正性がない通過儀礼に終わる。日本が過去の歴史を反省するということは、自らの歴史とアイデンティティを否定することで、これは日本の本性と世界観の限界の向こう側にあることを私たちは見抜いた方が良い。

二番目、日本人の倫理観だ。1899年、「武士道とは何か(Bushido、the Soul of Japan)」を執筆した新渡戸稲造は、西洋法学者が日本の学校では宗教教育がなく、学生たちに道徳教育ができない問題点を指摘したことを契機に自身に善悪の観念を悟らせたのが武士道であり、封建制度と武士道について知らずに現代日本の道徳観念は理解できない事実を悟ったと序文で明らかにしている。

「菊と刀」の著者、ルース・ベネディクトは、日本社会は絶対者の神の前に立つ人間の罪の文化ではなく、贖罪意識のない恥の文化と指摘する。恥の文化は道徳の基本体系を形成する原動力が罪の自覚ではなく恥辱感であり、恥をまぬがれることが先行する。

このような日本的な右傾性と道徳律の伝統は、人類共通の価値を幅広く共有できない閉鎖性に照らし、過去の歴史に対する日本の真の謝罪を期待するのは木によって魚を求めるようなものだ。日本との過去の歴史葛藤は一日にして解決できず、長久な時間が必要とされる課題と見るならば、私たちが韓日関係の再設定について冷静と度量の広さがある接近が望ましいと考えられる。

これに加えて、私たちの社会発展を通じて日本人たちが私たちに真の尊重感を持って見るようにすれば、私たちが願う真の謝罪ももっと早くなると考えられる。

シン・ギルス、元駐ギリシャ大使
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ソース:京畿日報(韓国語) [世界は今]日本との関係再設定
http://m.kyeonggi.com/?mod=news&;act=articleView&idxno=1375407