【ソウル=桜井紀雄】韓国の中央銀行、韓国銀行は21日、北朝鮮の2016年の実質国内総生産(GDP)が前年比3・9%増加したとの分析結果を明らかにした。17年ぶりの高水準で、国際社会が制裁を続ける中、韓国の経済成長率2・8%を上回った。

 特に鉱業が、石炭や亜鉛鉱石の増産で8・4%成長。対外貿易額も約65億5千万ドル(約7300億円)と、4・7%伸びた。国連制裁でも民生目的の石炭輸出は除外されていたため、中国への輸出で制裁の効果がそがれた形だ。

 しかし、昨年11月の国連決議では、輸出の上限が定められ、今後、打撃が表面化するとみられる。

 昨年の経済成長について、韓国銀行は、干魃(かんばつ)に見舞われ、マイナス成長となった15年の反動の影響とみている。

 ただ、金正恩(キム・ジョンウン)政権に入って以降の5年間は平均1・2%の成長を維持しており、専門家は正恩政権の民生重視の政策の効果も指摘している。

 政権が水産業に注力したこともあり、畜水産食品の輸出も74%急増した。

 ただ、国民総所得(名目GNI)は依然、韓国の45分の1にとどまっている。

http://www.sankei.com/world/news/170721/wor1707210032-n1.html