日本による植民地統治期の強制徴用体験をつづった「死地を越え帰郷まで」が文化体育観光部(省に相当)の「教養図書」に指定された。勤労挺身隊のおばあさんと共にする市民の会が24日、明らかにした。

 同書は全2巻で、5月26日に90歳で死去した李相業(イ・サンオプ)氏の手記であり、8歳だった1943年に旧三菱鉱業の上山田炭鉱(福岡県)に強制徴用された過程を書かれている。

 同書には日本による植民地統治期の強制連行問題に取り組む「朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動」の矢野秀喜事務局長による文章も収録されている。

 矢野事務局長は日本政府が2015年に軍艦島など朝鮮人強制徴用の現場となった施設がユネスコの産業遺産に登録されたことに強く反対した。

 このほか、同書には李相業氏が「地獄のような場所」と表現した上山田炭鉱に関する追加調査資料も添えられた。

 同書は全国の図書館、学校、社会福祉施設など約5300カ所に配布された。

 市民の会関係者は「日帝時代(植民地統治期)の強制労働の実情を明らかにした本が全国の学校などで読まれることを期待している。被害者が経験した苦痛と当時の真実が世の中に知られるきっかけになるのではないか」と話した。

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