このところソウルの道峰・江北区一帯に、長い触角を持った、親指くらいの大きさの昆虫が群れをつくって出没している。

 ローカルなネット掲示板では、今月20日前後から「ゴキブリみたいに湧いてくる虫が数十匹、道で死んでいたり飛び回ったりしてる」「ぞっとするほど湧いてきた。防疫してほしい」という書き込みが相次いだ。

 通報を受けた道峰区が出動して確認したところ、正体は「カミキリムシ」(写真)だった。通常「ミヤマカミキリ」と呼ばれる。同じ甲虫目・カミキリムシ科でも、韓国の天然記念物に指定されている将帥カミキリ(ウスリーオオウスバカミキリ)とは違う。

 直接人に害を及ぼすことはないが、木に穴を開けたり樹液を吸ったりするので、山林庁では害虫に分類している。ブナやクリなどの木に生息し、都心よりも山で主に見つかる。道峰区庁では、通報があるたびに防除を行っている。

 江北区水踰洞の住民らは「子どもが登校中、ミヤマカミキリが数十匹死んでいるのを見てショックを受けた」「夕方になると飛び回るまでになり、外に出るのが怖い」と訴えている。ミヤマカミキリは明るい光に反応するため、夜間は明るい場所の周りに群れる。

 ソウル・双門洞のコンビニの従業員は「夜になると昆虫がガラス窓にぞろぞろくっついているのはもちろん、店の中にまで入ってきて困る」と語った。

 ソウル地域で害虫防除作業の総責任を負うソウル市は、国立山林科学院・国立樹木院の専門家らと共に、カミキリムシが都心にやって来た原因を追っている。

 ソウル大学応用生物科学部のイ・シヒョク教授は「ミヤマカミキリは、健康な樹木よりも弱った木に生息する。このところ韓国中部地域で『ナラ枯れ』(ブナ科樹木萎凋〈いちょう〉病)が増え、モンゴリナラなどブナ科の樹木が被害に遭っていることとも関連があるだろう」と語った。

ソン・ホヨン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/07/25/2017072501054.html

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▲今月21日、ソウル市道峰区道峰洞のクレーンゲーム店に現れたカミキリムシの群れ。/写真=インターネットからのキャプチャー
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