>>979続き。
中途半端だが、とりあえず書き上がってる部分だけ投下。

まず、最大の問題点。
次世代NMCそのものが、最悪に近いかたちの『ケチのつき方』で、全く先行きが見えなくなった。

原因は主にエンビアにある。

2012年、エンビアはNMCの画期的改良に成功したと発表。
既に確立していると思われる正極はそのままに、負極を黒鉛から『独自開発』のシリコンベースに変更。

黒鉛の場合、内部の炭素原子が4つ一組でリチウム原子一個を吸蔵している。
それに対して、シリコンだと理論上原子一個でリチウム原子を4つを引き受けられる。
グラム辺りのアンペアベースで言えば、黒鉛では放電容量が400mAh/g、シリコンではそれが4000mAh/gになるw
まあ、これはあくまで理論値だが、割り引いて半分くらいで考えても、シリコンなら黒鉛の4〜5倍程度の性能を実現出来る計算になる。
ただ、シリコンはリチウムを挿入すると激しく膨張する特性があり、充放電で膨張と収縮を繰り返すと20〜30回くらいで崩壊してしまっていた。

そこで、シリコンと膨張を制御する炭素の複合素材に、ナノカーボンチューブなどを埋め込んだ独自構造を提案、それの製造に成功したというのが、エンビアの発表。
出来上がったサンプルのスペックは、400Wh/kgの超高出力。
因みに、従来の黒鉛負極式だと280Wh/kg。
で、それをGMが開発中の第二世代ボルトに載せると、走行距離は従来型の40マイル(64km)から120マイル(190km)に大幅改善という試算が出る。

正に『夢の電池』『化石燃料キラー』な大発明・・・であった筈だったんだが・・・。

しかし、エンビアが製品化を進めていくうちに、またGMが実証実験を重ねていくうちに、だんだん暗雲が立ち込めてきた。
GMがサンプルから400Wh/kgのスペックを実現出来ない。
て言うか、エンビア自身も再現できないw

で、色々調査した結果、エンビアの行った『イカサマ』が露呈してきたという。

まず、『独自開発』だった筈のシリコン負極が、そもそも他社から丸々購入したものだったwまさかの信越化学製w
つまり、『独自開発』が嘘だった。
因みに、信越化学は、もちろん本件においては善意の第三者。
ただエンビアの仕様要求通りに製造し納品しただけ何だから。
しかし、それが全くの偶然により絶妙の配合で不純物が混ざったらしく(具体的配合は特定出来ていない)、とんでもないオーバースペックものに仕上がっていたみたい何だよな。
だから、400Wh/kgなんて気の狂った能力を発揮した。
要は、オーバークロック耐性がやたら強い特定ロットのCPUから、更に偶然大当たりを引き当てたみたいなもんじゃないかな。
余談だが、さっきも言ったように、これは全くの偶然であり、信越化学自身もその性能を再現できていない。
つまり、一点モノのバケモンであり、現状量産は不可能だと思われる。