解放後、日本に残った朝鮮半島出身者 
外国人登録の際「朝鮮籍」を一括で付与し北朝鮮国籍でなく、“朝鮮人”という意味
韓国入国するためには、旅行証明書必要 
金大中、盧武鉉政府時には申請すれば全部発行 
保守政権では発給率急落…昨年34%

面接で韓国国籍取得を要求し愛国歌・誓約書の強要など、人権侵害も 
 
「自由往来の実現を」国民引継ぎ委員会に提案 
発給審査の緩和など法改正を要求

 「朝鮮籍」について知っているだろうか。朝鮮半島を占領した日本が第2次大戦敗戦後、日本に住む朝鮮(半島)出身の人たちにつけた印がまさに朝鮮籍だ。朝鮮籍は、朝鮮民主主義人民共和国とは関係がない。

 金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代は、朝鮮籍の在日同胞たちの韓国訪問が事実上自由に行われた。しかし、保守政権の9年間で彼らの故国訪問は事実上妨げられた。市民団体や法律家、学者らが在日同胞と共に文在寅(ムン・ジェイン)政権に制度改善を要求した。

 「私の故郷、済州島の懐に抱かれたいです。祖先のお墓の前で礼を捧げ、子どもたちを見せてあげたいです」

 「辛くて悔しいのは、日本や外国(人たち)ではなく故郷の人々が与える差別です。私たちは祖父母の時から差別に疲れ、十分に苦しみました。もう故郷の人々が私たちを踏みにじることは、どうかしないでほしいです」

 「朝鮮籍在日の韓国入国を実現させる会」が朝鮮籍の在日同胞の自由な韓国訪問を要請するために開いたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の団体チャットルームに、在日同胞たちの切実な願いを込めたコメントが相次いだ。

 同会は12日、ソウル鍾路区(チョンノグ)国民引継ぎ委員会の前で記者会見を開き、このような願いを明らかにした後、個人1210人と15団体等の署名を集めた「朝鮮籍在日の条件なき自由往来の実現に向けた政策提案書」を国民引継ぎ委員会に提出した。

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朝鮮籍の在日同胞の旅行証明書申請および発給現況。資料:外交部(カン・チャンイル議員室提供)//ハンギョレ新聞社

■朝鮮籍という理由で禁じられた故郷

 12日、ハンギョレ記者が済州大学の在日済州人センターを訪れた時、在日3世の研究員の金泰植(キム・テシク)氏(38)はちょうど夫人(36)の韓国訪問を許可してほしいという陳情を外交部のホームページに申請していた。

 同じ在日3世であり、済州島が故郷である彼の夫人もこの日、東京にある韓国領事館に「故郷を訪問して夫に会う」として旅行証明書発給を申請した。

 昨年11月に結婚した金研究員は「日本で弁護士として活動している妻が“朝鮮籍”を持っており、韓国入国が困難だ。妻は朝鮮籍の父が“韓国”国籍に変えていないため、自分も変えなかった。

 自分よりもっと故郷に行きたいはずの父が我慢しているのに、娘として(韓国籍に)変えることはできないという心の負担が大きいようだ。妻が思いこがれた故郷を訪問して墓参りをし、夫に会えるようにしてほしい」と韓国入国許可を訴えた。

 朝鮮籍だった金研究員は、2002年の釜山アジア競技大会の時に初めて訪韓し、9回行き来した後、2010年11月、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件の後、韓国国籍を取得した。

 当時ソウル大学研究員として在籍していた金研究員は、同窓生の結婚のために日本へ行ったところ、領事館側がもう旅行証明書を発給してくれず、韓国国籍に変えた。

 世宗大学の朴裕河(パク・ユハ)教授が書いた『帝国の慰安婦』を批判した『誰のための和解か』を発刊した朝鮮籍の在日3世の鄭栄桓(チョン・ヨンファン)明治学院大学教授も、昨年7月、出版記念会に出席するために訪韓を推進したが、外交部から旅行証明書発給を拒否された。

 これに先立ち、2015年4月に入国し第1回済州4・3平和賞を受賞した済州出身の在日小説家・金石範(キム・ソクポム)氏(91)が、同年夏と秋にソウルと済州で開かれた出版記念会に出席しようとしたが入国が拒否されるなど、一人に対する入国許可基準も右往左往した。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27947.html

>>2以降に続く)