>>1の続き)

 「左派系労組が中心となり、10月に『徴用工像』を済州島の日本総領事館前に設置するという計画を発表しました。

 別の団体も8月15日に同じ像をソウルの日本大使館や釜山の総領事館の前に作ると宣言しており、実現したら韓国にある全ての日本公館前に、相手国への侮辱行為を禁じた国際条約に違反する像が置かれます」

 韓国側に言わせれば、徴用工とは戦時中に朝鮮半島から日本へ強制連行されて、炭鉱や工場などで働かされた人々のことを指す。

 「当時は半島から出稼ぎの形で日本へ来る労働者が多かった。もちろん賃金は支給されましたが、それでも強制労働だと主張するのは、終戦1年前に国民徴用令が朝鮮半島でも適用されたから。とはいえ、対象は当時の日本人全てで朝鮮人を特別に動員したのではありません」(先の記者)

“反日教”のご本尊

 付言すれば、慰安婦問題と同じく、65年の日韓国交正常化時の条約で韓国は戦前の被害請求権を放棄している。だが、韓国は今でもそれを“不都合な真実”として退け認めていないのだ。

 前川氏が話を継ぐには、

 「韓国の中学生向けの教科書には、慰安婦と徴用工の問題は解決されていないと記されています。

 ゆえに、戦時中に朝鮮人労働者を不当に搾取したとして、三菱重工や新日鐵住金など日本企業が韓国で訴えられ賠償金を命じられている。日本側は上告していますが、徴用工像を設置することで追い討ちをかけたいのでしょう」

 『悪韓論』の著者で元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏はこうも言う。

 「“反日教”のご本尊が慰安婦像なら、徴用工像は女神さまを護る男神になりつつありますね。その背景には、慰安婦問題が思惑通りに進まないジレンマがあるんです。

 実際のところ、日韓合意で日本政府が拠出した10億円は、元慰安婦の7割が受け取っている。そのため、今後は韓国が再び謝罪を要求しても、合意破りだと国際社会からも批判を浴びる。それで、次なる日本への攻撃材料は、徴用工問題だと躍起になっているのです」

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(下)に続く

特集「『慰安婦記念日』『慰安婦歴史館』『慰安婦研究所』『慰安婦パーク』 『文在寅』韓国大統領の『慰安婦づくし』フルコース」より

(おわり)