被告の女が行方不明になったため、昭和47(1972)年2月を最後に審理が45年以上中断した覚せい剤取締法違反(営利目的譲り渡しなど)と関税法違反事件の控訴審で、

 広島高裁岡山支部(長井秀典裁判長)は9日、韓国籍の朴福蓮被告が不在のまま、懲役4年、罰金150万円とした一審の岡山地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 朴被告は生存していれば79歳。最高裁によると、全国の高裁に係属していた刑事裁判で最も古いケースとみられる。

 控訴審では被告の出廷義務はない。判決が確定した場合、刑法32条に基づき、朴被告の懲役刑については10年間、罰金刑は3年間執行されなければ時効が完成する。

 7月の審理再開に当たって新たに選任された国選弁護人は判決後、「時効となる可能性は高いが、被告との連絡を試み、上告も検討する」としている。

 判決によると、朴被告は昭和40(1965)〜43(1968)年、兵庫県内で覚醒剤7・35キロを2人に計1189万円で譲り渡すなどした。

 7月の公判では、被告側が審理中断の前から訴えていた量刑不当の主張を維持。長井裁判長は判決理由で「譲渡した量は多く、覚醒剤の害悪を社会に拡散させた程度は非常に大きい。刑事責任は重く、一審の量刑は相当だ」と述べた。

http://www.sankei.com/west/news/170809/wst1708090068-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/170809/wst1708090068-n2.html