旅行で日本を訪れた中国人の多くは、日本人が非常に礼儀正しいことを口々に称賛する。世界を旅行する機会が増えたことで、中国人は「公共の場におけるマナー」について考える機会も増えてきたようだ。

中国メディアの今日頭条は6日、北京や上海などの大都市を中心に「中国人のマナーは随分向上した」と主張し、「中国人の公共マナーが日本人に追いつけないなんて、誰が言ったのか」と論じる記事を掲載した。

中国でこのほど、地下鉄の車内で高齢者に座席を譲らなかった女性に対し、高齢者が激しく罵り、喧嘩になるというトラブルが発生したが、記事は「こうしたトラブルは決して多くはない」とし、むしろ北京では公共のマナーの向上を実感させられる事例が増えていると論じた。

たとえば、北京市内にあるエスカレーターでは、まるで日本のようにエスカレーターの片側に立ち、急いでいる人が空いている側を使えるような配慮が見られるようになったと紹介。

また、北京の地下鉄や路線バスでは、高齢者や子どもを連れた親が乗車してきた際、若者がすぐに席を譲る光景が見られることを挙げ、こうした光景は上海市や深セン市でも見られるため、中国人の公共のマナーは明らかに向上したと伝えた。

2008年の北京五輪の際、北京市は世界中から観客が訪れることを前提に、市民に対してマナー向上を呼びかけた。五輪開催中はマナー向上が見られたが、意識の徹底的な改革にまでは至らなかったようで、その後は悪いマナーが再び見られるようになったと言われた。

しかし、中国人が日本を含めた海外に旅行に出かけ、渡航先の人びとのマナーに触れたことで、中国人の意識に大きな変化があったのではないだろうか。

中国全土で意識が変わるまでにはまだ時間がかかりそうだが、大都市を中心に人びとのマナーに対する意識が変わりつつあるのは事実だろう。(編集担当:村山健二)

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