北朝鮮は核・ミサイルの実験についてはこれまで有言実行だった。発射中止の交換条件として「米韓軍事演習の中止」と「B1戦略爆撃機の配備の中止」を挙げているが、米国が受け入れないことは百も承知だろう。

 問題はグアム島アンダーセン空軍基地へ向けて実際に発射された場合の対応だ。

 トランプ大統領は迎撃態勢は完璧と主張している。それだけに北朝鮮が4発撃った場合、1、2発の迎撃に失敗をするようなことがあれば赤っ恥となってしまう。迎撃の失敗を恐れた場合には、北朝鮮のミサイル発射台を叩いてしまおうということになる可能性もある。

 日本の対応も難しい。グアム島へ向けて発射されたミサイルが日本の領空・領海を通過する場合は国際法上、集団的自衛権を行使して自衛隊が撃ち落とすことができるが、その場合は、北朝鮮の反撃が日本に向けられてしまう。

 見過ごして米国に任せた場合は米国からクレームがきてしまうだろう。(コリア・レポート編集長)

http://www.hochi.co.jp/topics/20170810-OHT1T50306.html


北朝鮮がグアム沖に向けミサイルを発射する確率が90%の訳

 北朝鮮がミサイルの発射、あるいは核実験に踏み切る場合は、外務省声明などを通じて必そのことを示唆し、予告とおり実施してきた。

 古くは、日本列島を飛び越えた2009年4月5日の「衛星」と称する「テポドン」は41日前の2月24日に所管の朝鮮宇宙空間技術委員会が「人工衛星打ち上げの準備を行っている」と予告していた。

 また、直近の7月4日の「火星14号」と称するICBM発射も「労働新聞」(5月31日付で「ICBMの試験発射の準備ができている」と示唆されていた。

 さらに、北朝鮮は昨年3月から弾道ミサイルを乱射して、昨年1年だけで25発、今年もすでに11発発射しているが、

 これもまた昨年2月23日の「朝鮮半島有事の際の第一次攻撃対象は韓国の青瓦台(大統領府)と韓国内の基地及び施設、第二次攻撃対象は太平洋上の米軍基地と米本土」との最高司令部の重大声明で暗示されていた。

 北朝鮮はこの重大声明に従い、韓国全土を標的にした500kmの弾道ミサイル「スカッドC」、在日米軍基地とグアムのアンダーセン基地を標的とする「ノドン」「スカッドER」「ムスダン」「北極星1型」(潜水艦弾道ミサイル)、

 その改良型の「北極星2」、準ICBMの「火星12号」そして、ハワイや米本土を標的にしたICBM「火星14号」を発射し、いずれも成功させてきた。

 ミサイルだけでないは、核実験も「有言実行」であった。

 一度目(2006年10月9日)は「米国の極端な敵対行為により最悪の情勢が到来している状況下であらゆる手段と方法をこうじて自衛的戦争抑止力を一層強化する」との声明(7月16日)があり、直前(6日)には核実験計画が発表されていた。

 二度目(2009年5月25日)の時は4月14日に「敵対勢力の加重する軍事的脅威に対処し、任意の自衛的核抑止力を強化する」との声明が出されていた。

 三度目(2013年2月12日)も「自衛的軍事力を質量ともに強化するため物理的対応措置を取る」との外務省声明(1月24日)と「高い水準の核実験」を示唆する国防委員会の声明(1月25日)が出されていた。

 四度目(2016年1月6日)も「米国が武力、軍需、貿易機関、外交官を制裁対象の名簿に加え、軍需部門だけでなく、民需部門を含め我々の経済全般を窒息させようとしている。米国が敵対視政策にこだわるなら米国が望むものとは正反対の想像できない結果を招くだろう」との外務省代弁人声明が前年(2015年)の12月16日に出されていた。

 そして5度目(2016年9月9日)も直前の9月1日に外務省スポークスマンが「米国が旧態依然の制裁のラッパを吹き続けるなら、その後遺症は悲惨なものになる」との談話を出してから強行している。

 もう一つの根拠は、国連安保理の制裁決議が採択されれば、必ずと言っていいほど反発して対抗措置としてミサイルの発射や核実験を行ってきたことだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20170811-00074401/

>>2以降に続く)