評論家で拓殖大教授の呉善花(オソンファ)氏は19日、佐賀市天神のアバンセホールで講演し、日本統治下の朝鮮半島での徴用工問題について「韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は人権問題として持ち出した。新たな反日カードであり、言葉だけが国際社会で一人歩きすると危険だ」と語った。

文大統領は17日、徴用工について「個人の権利は残っている」と述べた。これに対し、日本政府は日韓請求権協定(1965年)で「完全かつ最終的に解決済み」と抗議した。

呉氏は「徴用工問題はまだ盛り上がっていない。しかし今後、韓国側が人権問題として世界に訴えれば、専門家が反論しても通じてしまうだろう。慰安婦問題と同様に、(反日の)大きな力となる危険がある」と警鐘を鳴らした。

文大統領は徴用工について、北朝鮮と共同での被害実態調査にも言及した。呉氏は「日本を巻き込み、北朝鮮を支援したいとの狙いがある」と指摘した。

また、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を舞台にした韓国映画「軍艦島」(柳昇完(リュスンワン)監督)について、「過剰な演出がある。いくら映画といっても、歴史を扱う際は、事実関係に忠実であるべきだ」と批判した。講演会「佐賀土曜セミナー」で語った。

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佐賀市内で講演する呉善花氏