現代重工業はこのほど、世界最大級で最先端のコンテナ船の受注競争で中国企業に敗れた。これまで韓国造船業界は代表的な高付加価値船舶である超大型コンテナ船の建造で世界の主導権をしっかり握っていると評されてきただけにショックを隠せない。

同社のヨ・ヨンファ産業営業本部常務は今年1月の業績説明会で、「(フランス海運大手の)CMA CGMから大型コンテナ船を受注した経験があり、良好な関係を維持している。受注を確信している」と話していた。

造船・海運分野の専門メディア「トレードウィンズ」は、2万2000TEU(20フィート標準コンテナ換算)級のコンテナ船9隻を発注したCMA CGMが中国の造船所2カ所と船舶の建造意向署(LOI)を交わしたと報じた。

9隻の受注総額は14億4000万ドル(約1570億円)に達するという。2万2000TEU級は過去最大規模のコンテナ船だ。

今回の受注競争には、韓国造船3社の現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋がいずれも参入したが、結局は中国勢に敗れた格好だ。

業界は中国の造船所の高付加価値船舶建造技術と価格競争力を中国の海運会社ではなく世界大手の海運会社までもが認めたという点で衝撃を受けている。

特にバンカーC油と液化天然ガス(LNG)を使用する二重燃料推進システムを備えた最先端の船舶受注競争ですら中国に押されたことになる。

これまで韓国造船3社は全世界で大型コンテナ船の受注を独占してきた。韓国に船舶価格がやや割高でも技術力が優れていたため、リードしているとの評価を受けてきたからだ。

業界関係者は「世界的な海運会社が最近、海運市場の主導権を握るため、これまでは延期していた大型コンテナ船の受注を増やす中での失敗だけに衝撃はさらに大きい。中国政府の政策支援の中で中国が韓国造船3社と競争力の格差を急速に狭めている」と述べた。

■造船・自動車など主力産業にシェア低下懸念

国策シンクタンクの産業研究院は10年後に韓国の主力産業の世界シェアが現在の半分に低下するとみている。同院は「今後10年間で韓国の主力産業は成長率が著しく鈍化するか、縮小する可能性が高いとみられる」とした。

2015年と2025年時点での世界市場シェアを予想した報告書で、韓国の主要12業種のうち、半導体(16.5%→18.5%)、一般機械(2.8%→2.9%)、防衛産業(2.4%→2.7%)のみが増加するとの見方が示された。

造船、自動車、石油化学、通信などは大幅に低下するとの予測だ。特に造船は年平均9.5%のマイナス成長を記録し、世界シェアが36.5%から20%に低下するとみられる。

主力産業の成長率が鈍化する主因としては、韓国での生産条件がぜい弱なことに加え、新産業分野のへの転換の遅れがある。また、あらゆる産業で質的産業構造の高度化を推進する中国がさらに強力なライバルとして浮上し、競争がさらに激化するとの見方も存在する。

チョ・チョル上級研究委員は「韓国の主力産業は既に成熟期に達したか、今後10年以内に成長期から成熟期に移行するとみられる」と述べた上で、「成熟段階の企業は低成長とともに激しい競争に直面するため、新たな発展戦略を立てる必要がある」と指摘した。

辛殷珍(シン・ウンジン)記者

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