富士通は携帯電話事業を売却する方針を固めた。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や中国メーカーの格安スマートフォンに押されて販売減少が続いているため。

9月にも入札を始める見通しで、投資ファンドや中国企業が売却先候補に挙がっている。

富士通は昨年2月に携帯電話事業を分社化し、他社との連携などを模索すると明らかにしていた。

入札には、国内外のファンドのほか、中国の携帯メーカーの華為技術(ファーウェイ)などが応札するとみられる。売却額は数百億円になる見通し。

国内の携帯電話市場は、首位のアップルが4割以上のシェアを占め、富士通は5位。NTTドコモ向けを中心に「arrows(アローズ)」などのブランドで販売している。

富士通は22日、売却について「他社との提携を含めさまざまな可能性を検討しているが、決定したものはない」とのコメントを発表した。

海外勢の攻勢を受け、国内では2008年以降、三菱電機、東芝、NEC、パナソニックが携帯電話事業から撤退。富士通が撤退すれば、残る主な国内メーカーはソニー、シャープ、京セラの3社になる。【古屋敷尚子】

https://mainichi.jp/articles/20170822/k00/00e/020/160000c


富士通、携帯電話事業を売却へ 一部ブランドは維持

富士通が携帯電話事業を売却する方針を固めたことが分かった。9月にも入札を始める方向で調整しており、売却先候補には、欧米のファンドや中国の事業会社などが挙がりそうだ。

ただ、売却後も株式の一部は持ち続け、NTTドコモなどに納める製品のブランドは維持する方向だ。

富士通の携帯電話の国内シェアは5位。スマートフォンの「arrowsシリーズ」や高齢者向けの「らくらくシリーズ」などのブランドを抱える。

だが、2011年度に約800万台あった販売台数は、米アップルや韓国サムスン電子、中国メーカーなどに押され、16年度は320万台にまで減少していた。

富士通は携帯電話事業が大きな成長を見込めないとして、16年2月に分社化し、他社との連携を模索していた。

同社は「強い独立した事業を目指して、様々な選択肢を検討している」(広報)としている。

同社は、不振が続くパソコン事業についても、世界最大手の中国レノボ・グループと提携に向けた交渉を進めている。

企業や官公庁向けのIT関連サービスに注力し、事業の選択と集中を図って収益力を高めていく考えだ。

http://www.asahi.com/articles/ASK8Q3CLQK8QULFA003.html