文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席は24日、韓中国交正常化25年を迎え、祝賀メッセージを交わした。両首脳のメッセージでは、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)問題で冷え込んだ韓中関係の現実が露わになった。

文大統領は、両国関係を「実質的な戦略的協力パートナー関係に発展させよう」と期待を示し、習主席は「意見の違いを適切に処理しよう」と注文した。ソウルと北京でそれぞれ記念式典が開かれたが、儀礼的な記念式典に終わった。

駐中韓国大使館が北京で開催した記念式典には、韓半島業務と関係のない中国側要人が主賓として出席した。

一昨年までは、両国首脳は国交正常化記念日を前後して相手国を訪問した。5年前の国交正常化20年の記念式典は両国が共同で開催し、当時、中国からは主席就任が有力視された習近平副主席をはじめ幹部級の人々が出席した。

しかし、昨年のTHAAD配備決定後、関係は冷え込み、中国の全方向の報復措置と高官級の外交接触の拒否で、事実上、関係断絶直前にまで至った。

習主席は、文大統領の当選直後、電話で「求同化異(共同の利益を追求して意見の相違も和解する)」を強調し、国交正常化当時の初心に帰ろうと言った。しかし、中国はまだ報復措置を解いていない。韓国政府も中国に対する期待をあきらめたようだ。

新しい大統領が就任すれば、当然米国の次に中国を訪問するが、文大統領は2番目の訪問国にロシアを選んだ。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も24日、駐韓中国大使館で開かれた記念式典に出席せず、ロシア訪問のために出国した。
 
中国側が両国関係の障害物と指摘するTHAAD問題の根本的な原因は、北朝鮮の核・ミサイル脅威にある。北朝鮮の核とミサイル攻撃に対応するための防衛兵器であるTHAAD配備は仕方のない選択だった。

むろん、その過程で朴槿恵(パク・クンへ)政府の対応にも問題があったが、北朝鮮の核開発を放置した中国の責任も少なくない。

習主席は先月、ドイツ・ベルリンでの文大統領との首脳会談で、「過去に血で結んだ北朝鮮との関係が根本的に変わることはない」とし、事実上、北朝鮮を庇護した。これだから北朝鮮が中国を背に核開発を加速化し、その結果、中国も周辺国との関係悪化を甘受しなければならない状況にまでなったのだ。

THAADは、北朝鮮の核の脅威に対抗して私たちの生存を守るため、北朝鮮の核の脅威が消えない限り撤回はありえない。中国も、いくらTHAAD問題で報復し脅迫しても、韓国が安保問題を譲歩できないことはよく分かるだろう。

米国が中国に迫るからといって自国の安保問題で譲歩できないことと同じだ。解決策が見当たらない問題で不必要な対立を継続しては、両国いずれにも損だ。

中国はTHAAD配備が米中の戦略的均衡を破ると主張するが、防衛兵器1砲台が中国の安保をどれだけ侵害するのか疑問だ。もはや中国は大国らしく無理な主張は止めて、THAADを問題にしない方向に転換することを望む。

http://japanese.donga.com/List/3/all/27/1037883/1