先月のICBM発射でも米日首脳だけで電話会談
「またコリア・パッシング」との指摘も

日本の安倍晋三首相は29日早朝に北朝鮮の弾道ミサイルが日本の上空を通過したことに関連し、米国のドナルド・トランプ大統領と電話会談を実施した。日本メディアが報じた。

朝日新聞、読売新聞など日本メディアによると、安倍首相はこの日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射に関連する対策について議論するためにトランプ大統領と約40分にわたり電話で会談した。

電話会談の直後、安倍首相は「今回のミサイル発射は前例のない深刻な生命の脅威であり、日米が北朝鮮への圧力を一層強化することで完全に一致した」と述べた。

あわせて両首脳は北朝鮮問題について「対話のための対話」は意味がなく、国際社会が北朝鮮に圧力をかける上で中国とロシアが重要な役割を担っているという点で認識が一致したという。また、直ちに国連安全保障理事会の緊急会合開催を要請することも明らかにした。

一方、青瓦台(韓国大統領府)の関係者によると、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの時点で米・日という重要な安全保障同盟国との電話会談を実施する予定はなかった。

先月31日、北朝鮮が米国本土まで攻撃可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するという未曽有の事態が発生した際にも、トランプ大統領は同盟国の首脳のうち唯一、安倍首相とだけ電話会談を行った。文大統領はこのとき夏期休暇中で、トランプ大統領との電話会談を実施したのは1週間後の今月7日になってからだった。

文大統領は、北朝鮮が日本と米国を同時に脅かすミサイル発射を強行した29日も、米日首脳との電話会談を実施せず、午前中に国家安全保障会議(NSC)常任委員会を自らの主宰ではなく鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長に主宰させ、結果報告を受けて韓国軍に強力な対北報復能力を誇示するよう指示した。

しかし日本が北朝鮮による武力挑発の脅威にさらされたことから、近く韓国政府と高官級の間で安保協力について何らかの話し合いが行われるとみられる。

日本が韓半島(朝鮮半島)に対して直接の軍事対応を準備することになれば、韓米の安保協力とは異なり韓国世論が過敏な反応を示す恐れがあることから、青瓦台も韓日首脳による電話会談などを経て慎重な判断を下すとみられる。

一方米国とはこの日、鄭義溶・国家安保室長がマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官がティラーソン国務長官と、それぞれ電話で会談し、北朝鮮問題で協力する方針をあらためて確認した。

北朝鮮の挑発に関連した日本や米国の動きをめぐり、韓半島の安保危機で韓国が排除されているという「コリア・パッシング」の状況が再び起きているのではないかとの指摘も出ている。

キム・ミョンジン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/29/2017082903087.html