サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選グループA第9節の韓国対イラン戦が行われた先月31日、ソウル・ワールドカップ・スタジアム。両国の選手たちはあちこちでデコボコになった芝と「死闘」を繰り広げた。この試合では選手たちが動くたびにピッチで芝や土がめくれ上がった。

「ボールをうまく飛ばすには紙幣1枚分くらいの大きさの芝を跳ね上げなければならない」というゴルフ界の話を、両チームの選手たちは不本意ながらサッカー場で、しかも足を使って実演する羽目になった。同スタジアムにはこの日、観客6万3000人が集まり、アジア全域に向けてテレビ中継もされた。このように重要な試合が、あぜ道のような芝生の上で行われるという大惨事が起きたのだ。

同スタジアムの管理を担当したソウル市傘下のソウル施設管理公団には、試合直後から「何をやっているんだ」という批判が殺到している。同公団側は先月17日、「イラン戦に備えて大々的に芝生の改善を行う」という題のプレスリリースまで出し、「ピッチ面積の4分の1を新しい芝生に交換する」と発表、「各種専門機器や人員の集中投入」「自社開発人工採光機、韓国初のロール芝生交換技術動員」などの文言を入れていた。

ところが、結果は悲惨だった。試合開始前、選手がウオーミングアップをしていたころから、芝はめくれ始めていた。ハーフタイムには管理者が足で芝を踏み固める「臨時メンテナンス作業」をする珍光景が繰り広げられた。現場では「モグラがピッチを掘り返したようだ」「2002年W杯開催地なのにこのありさまは何だ」という声が聞かれた。

このような状況になった原因については、「芝の交換作業が遅すぎる」という指摘が出ている。芝生管理の専門家A氏は「芝を植えて育てる期間が短すぎたため、根がしっかり付いていなかったようだ」と指摘した。韓国のサッカー場で使われる「西洋芝」は寒冷地型で、5−25度で最もよく育つ。一般的には芝が根付くのに1カ月−1カ月半ほどかかる。だが、今のように高温多湿な環境では、芝が根付くのに2カ月以上はかかるというのがA氏の説明だ。

ところが、ソウル・ワールドカップ・スタジアムの芝生改善作業は8月19日に始まり、それから12日後に試合が行われたため、今回の事態は予想できたはずだという。芝生改善作業を計画するなら、遅くとも6月末に始めなければ効果がなかったということだ。このため、「ソウル市はスタジアムを貸して収益を上げなければならないため、さまざまなイベントをしているうちに芝生交換作業が遅れたのでは」という疑惑も取りざたされている。

同公団関係者は「最善を尽くしたが、このような結果になってしまった。今は何を言っても言い訳になると思う」と言葉を慎んだ。

大韓サッカー協会に向けても「こんなことになるまで手を付けなかったのか」という批判が出ている。同協会関係者は「芝生の手入れは施設管理公団がするものだが、我々も苦慮している」と語った。韓国対イラン戦は国内で行われるW杯最終予選の最後のホームゲームだった。

イ・テドン記者

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