韓国サムスン電子が米ニューヨークで8月23日、「ギャラクシーノート」の最新モデル「ギャラクシーノート8」を発表した。早くも人気に火がついているが、その理由をケータイジャーナリストの石野純也氏が詳しく解説する。【毎日新聞経済プレミア】

米ニューヨーク現地時間で8月23日に発表された「ギャラクシーノート8」は、海外では9月15日から発売の予定。最大の競合相手になるiPhoneの次期モデル発売に先駆けた格好だ。

昨年海外で発売された「ギャラクシーノート7」は、バッテリーの設計ミスが原因で発火事故を起こし、大規模なリコールを余儀なくされた。最終的に販売は中止になり、サムスンは一時的にシェアが大きく低下した。

その後、同社はスマホ製造の安全対策を大幅に強化。3月にはギャラクシーS8、S8プラスの2機種を発表しており、売れ行きも好調だ。

◇ペン入力、カメラ機能を強化

名誉挽回を狙うギャラクシーノートは、元々の特徴であるペン入力をさらに強化。読み取り回数を1秒間360回に上げ、書き味を向上させたほか、画面オフの状態でそのままメモを取れる機能も搭載する。ペン入力をコミュニケーションにつなげる工夫もあり、書いた文字を簡単にスタンプにして送ることができる機能も備えた。

ディスプレーは、日本で5月に発売されたギャラクシーS8、S8プラスとおなじ18.5:9の比率になり、6.3型ながら片手でも持ちやすい。表示領域が広がったことでペンでメモも取りやすくなっている。

もう一つの特徴が、二つのカメラを同時に利用するデュアルカメラだ。デュアルカメラは中国ファーウェイや米アップルなども取り入れている機能で、サムスンも満を持してこれに対応した。広角と望遠、二つのカメラを切り替えることで、疑似的に光学2倍ズームを実現。二つのカメラの焦点距離の違いを生かし、背景に一眼レフのようなボケを加えることも可能になった。

同様の機能はiPhone 7プラスにも搭載されているが、ギャラクシーノート8は望遠側も光学手ぶれ補正に対応。望遠ズームを使った撮影はぶれが起こりやすいため、光学手ぶれ補正を入れ、それを抑えたというわけだ。ベースとなるメインのカメラは、評判のいいギャラクシーS8、S8プラスと同じで、レンズが明るく、暗い場所でも精細な写真を撮ることができる。

◇日本で発売されれば3年ぶり

旗艦モデルのため、ベースとなる機能も高い。最新の中央演算装置(CPU)を搭載し、メモリーも6ギガバイトと大容量だ。防水仕様にも対応。専用のゴーグルを装着すると、バーチャルリアリティー用のコンテンツを楽しむこともできる。

縦長の画面を生かし、二つのアプリを同時に起動できる機能も強化。事前に二つのアプリを“ペア”として登録しておけば、ワンタッチで両方を起動できるようになった。

前のモデルで大規模なリコールに発展したギャラクシーノートだが、大画面化やペン入力など、他のスマホにはない特徴をいち早く取り入れてきたのも事実だ。

結果として、同シリーズには根強いファンも多く、ギャラクシーノートからギャラクシーノートに機種変更する継続率は他のモデルより高いという。発表会では、85%の利用者が知り合いにギャラクシーノートを勧めたいという調査結果も公表された。

日本への展開予定は未定ながら、例年通りであればドコモやKDDIが取り扱う可能性は高そうだ。日本では、15年モデルの「ギャラクシーノート5」の発売が見送られた経緯もあり、投入が決まれば3年ぶりのギャラクシーノートになる。同シリーズの利用者にとっては、待望の1台といえるだろう。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170903-00000019-mai-bus_all

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サムスンが発表した「ギャラクシーノート8」