北朝鮮は3日昼に6回目の核実験を強行した。韓国、米国、日本による測定の数値に多少の差はあったが、いずれにしてもその爆発の規模はおよそ10万トン前後の威力があった。これは最小限の増幅核分裂に相当することから、今回の実験に使われたのが小型の水素爆弾だった可能性も排除できない。北朝鮮はこの日行った重大発表で「ICBM(大陸間弾道ミサイル)装着用の水素爆弾実験に成功した」と発表した。

1998年までにインドは5回、パキスタンは6回核実験を行い、いずれも核兵器を完成させ確保した。北朝鮮が保有する核兵器の威力はインドやパキスタンのものに比べてその破壊力は10倍以上あり、広島に投下された原爆の5倍に達する。つまりたった1発でソウルを完全に破壊できる核爆弾が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の手に握られてしまったのだ。

しかも韓国を狙う短距離ミサイルは弾道の大気圏への再突入技術も必要ないため、金正恩氏は今すぐにでもこの核ミサイルで韓国を攻撃することができる。韓国に住む5000万人の国民全員が核兵器の人質になってしまったのだ。

北朝鮮が様々な種類の核弾頭の小型化に成功したと考えざるを得ない今、北朝鮮にとって残された課題は米本土を攻撃できるICBMの大気圏再突入技術しかないが、これも時間の問題であることは間違いない。そのため北朝鮮はICBMやSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験を今後も続けるだろう。あるいは爆発力が100万トンの水素爆弾を完成させるため、今後7回目、8回目の核実験を強行するかも知れない。

これに対して国連は効果が限定的な制裁以外に打つ手がなく、これは中国の責任が最も大きい。中国政府は北朝鮮の核武装阻止ではなく、北朝鮮政権の安定を選択した。そのため今なお北朝鮮に無償で原油を供給しており、北朝鮮のミサイルから韓国を守るために配備された米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」に抗議し、韓国に対して経済面での報復を今なお続けている。

しかし中国が北朝鮮に対する制裁や圧力を強化すると、今度はロシアが北朝鮮を支援する。中国とロシアはどちらも北朝鮮の存在を必要としているからだが、一方で韓国の安全はこの両国にとって優先順位のどこにも入っていない。

米国防省は、北朝鮮が来年末までには核兵器を搭載したICBMを実戦配備できると予想しているが、これは米国にとって到底容認できる状況ではない。そのため米国は今後北朝鮮を攻撃するか、あるいは「危険な取引」を通じて北朝鮮が仕掛けた「巨大なわな」にやむなく取り込まれるか、いずれにしても何か行動を起こすだろう。ただ韓国政府が北朝鮮への攻撃に反対しているため、最終的には米朝間の取引が実現する可能性の方が高い。

とりわけ米国は米本土をねらったICBMだけは何としても阻止するため、北朝鮮の核とミサイルの凍結を条件に北朝鮮への制裁を緩和し、韓米合同軍事演習を中断するかも知れない。そうなれば北朝鮮は完全な核保有国だ。金正恩氏の脅迫によって大韓民国の運命が左右される状況など想像もできないが、残念ながらそれが現実となる日は近い。


017/09/04 09:45
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