昨日、白雲揆(ぺク・ウンギュ)産業通商資源部長官に会った三星(サムスン)SDI、LG化学、SKイノベーションなどの国内電気自動車バッテリーメーカーのCEOは、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)への報復による困難を訴えながら、政府の積極的な対応を求めた。中国では電気自動車の補助金が車両価格のほぼ半分に上り、補助金を受けなければ販売が難しい。中国政府は今年、8回の補助金を支給する際、韓国メーカーのバッテリー搭載車両は1台も盛り込まなかった。

金正恩(キム・ジョンウン)の核挑発から5000万人の国民の生命と財産を保護するための防御兵器の配備について、中国の各国営メディアが7日、「THAADは悪性腫瘍」と書き立てたことを見ると、中国の国を挙げてのTHAAD報復は始まったばかりではないかという気がするほどだ。環球時報は7日付の英語版で、「北京車は現代(ヒョンデ)自との合弁を終えることまで考慮しており、韓国のパートナー会社も中国メーカーに変えるよう(韓国側に)要求した」と報じた。現代自は否定したものの、中国政府がTHAADを口実に国営メディアを通して現代自の揺さぶりに本格的に乗り出したのではないか疑わしい。Eマートは20年ぶりに撤退する予定にあり、食品メーカー「オリオン」も売り上げが42%も激減した。メモリー半導体、ディスプレイも無風地帯ではないので、三星(サムスン)、LGも安心できない状況となっている。

中国の不合理的な行為は、体制の違いを超えた韓中国交の基本前提である政経分離を揺さぶる。戦略的パートナー関係である両国関係を新冷戦時代に戻すものである。安保、政治問題を経済問題と連携させて企業を苦しめる幼稚な行為は、世界貿易の規範を深刻に破壊するものである。習近平主席は、「中国が自由貿易を先導したい」と言う資格などない。国際社会に「不良国家」のイメージを植え付けて、信頼できない国というレッテルが貼られれば中国にも損になるだろう。

大統領府と産業通商資源部、外交部など省庁を挙げてのタスクフォースを立ち上げて、全力的に対応しなければならない。国際社会に中国の野蛮的外交の不当さを知らせ、世界貿易機関(WTO)に提訴するなど、強硬に対応しなければならない。通商交渉本部は、中国が韓中FTA協定に従っているのかを問い詰め、韓米FTA再協議のテーブルでも、韓国側の被害を訴えなければならない。THAAD報復による予想経済損失は8兆5000億ウォンに達する。甚大な被害を受けている企業から先に蘇らせずには雇用創出も、経済成長も空念仏である。

ソース:東亜日報日本顔版<野蛮的なTHAAD報復は中国の足元をすくうブーメランになるだろう>
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/1055306/1