9/10(日) 7:55配信
産経新聞

朝鮮半島有事のシナリオ(写真:産経新聞)
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 【ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮と米国との緊張が臨界点に達し、軍事衝突が起きたとき、何が起きるのか。在韓米軍で対北朝鮮軍事演習のシナリオ策定に携わったチェタン・ペダッダ退役陸軍大尉は米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(電子版)への寄稿で、「北朝鮮は間違いなく敗北するが、朝鮮半島の大半が壊滅する」と警告する。

 ◆数時間で死者数万人

 寄稿で描かれた想定では金正恩(キム・ジョンウン)体制は国際社会の制裁で危機に陥り、体制の維持が困難になったと判断した場合、「韓国への奇襲攻撃」で活路を見いだそうとする。ただ、北朝鮮軍は弾薬や食糧不足などから戦闘能力は「数日間」しか持続せず、一気に決着をつけようと、最初の数時間で南北非武装地帯周辺や在韓米軍駐屯地、日本の海空防衛施設にミサイルで集中攻撃をかけてくるとみられる。

 北朝鮮は約2500〜3千立方トンのサリンやVXガスなどの化学兵器、炭疽(たんそ)菌などの生物兵器を保有し、これらをミサイルに搭載して米韓の空軍基地や補給ルートに撃ち込み、米韓の作戦遂行や兵力の移動能力の減衰を図る可能性が高い。

 同時に北朝鮮のサイバー部隊121局が米韓の銀行や韓国の送電施設にサイバー攻撃を展開。停電や通信遮断による社会混乱への対処で米韓軍や警察が人員を割かれる状況となる。

 北朝鮮による攻撃開始から数時間で死者は数万人に達し、ソウルの大半が灰燼(かいじん)に帰する。数百万人が国内避難民と化すとみられる。

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