▼当時、米国では「カミカゼ」が喧伝(けんでん)された。「天皇陛下万歳」を叫びながら自爆攻撃を仕掛ける日本人のイメージは「狂信的」「話が通じない」「同じ人間ではない」となり、米国民の多くは原爆投下を歓迎した
▼北朝鮮は3日、核実験を強行した。国際世論を無視した暴挙に対して友好国の中ロも強く非難するなど、孤立に拍車が掛かる。日本が無謀な対米戦に突き進むきっかけとなった、石油禁輸も叫ばれ始めた
▼米国の北朝鮮政策は、言うことを聞けば援助、従わないと武力で脅す「アメとムチ」。だが、米国の脅迫と北朝鮮の反発がエスカレートした結果、今日の抜き差しならぬ事態がある
▼評論家の加藤周一さんが生前の講演で、北朝鮮についてこう語っていた。冷戦時代の米ソ交渉を例に挙げ、「相手の意図が分からなければ、相手も理性的に行動するだろうという方に賭けて交渉するしかない」
▼戦争遂行には相手に対する差別と憎悪を必要とする。最悪の事態を避けるためには、同じ人間であるという前提に立って対話するしかない。「ならず者」と、北朝鮮の悪口をいくら並べたところで何一つ解決しない。(磯野直)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/137869
社説[北朝鮮が核実験]関係5カ国の結束図れ
戦争を欲しないなら、この問題は、何らかの形で対話によって解決するしかない。
対話のための対話はしない、と安倍政権は主張するが、その言葉は「戦争もやむなし」と言っているわけではないはずだ。対話に至る過程で圧力の強化や制裁の強化があるのは理解できるが、問題はその次の見通しである。
圧力を強化することによって北朝鮮が音を上げ、自主的に核兵器を放棄し核・ミサイル開発を中止すると考えるのは、楽観的に過ぎる。圧力一辺倒は北朝鮮の暴発のリスクを高めるおそれがある。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/137054
(>>2以降に続く)