今夏の教科書採択期間には、2年前の採択をめぐり、政治的圧力があったとする私立灘中学(神戸市東灘区)の校長のエッセーがインターネット上で拡散される動きもあった。

灘中は中学歴史教科書で唯一、慰安婦に関する記述がある「学び舎」の教科書を27年に採択。校長のエッセーには、採択後に同じ文面の抗議はがきが大量に届くなどした経緯がつづられている。

校長が昨年9月、知人に読んでもらおうと同人誌に寄せたところ、今年7月末からネット上で拡散され、校長は産経新聞の取材に「とまどっている。静観してほしい」と話していた。

学び舎教科書の採択をめぐっては、NHKが今月6日放送の報道番組「クローズアップ現代+」で、多くの採択校に「反日極左の教科書」などとの抗議はがきが届き、学校側が圧力と感じたことを紹介した。

だが、教育出版の道徳教科書については、社名を伏せて批判があることを取り上げた一方、不採択運動のターゲットとされたことにはほとんど触れなかった。

同番組をみた評論家の西村幸祐氏は「一方的といえる内容だった。この番組に限らず、愛国的とレッテル貼りされた教科書にはどんな抗議も許されるという雰囲気があるのではないか」と話している。

http://www.sankei.com/life/news/170908/lif1709080007-n1.html

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