http://jp.wsj.com/articles/SB12102863440169883840004583391931530591950
EVは欧州車メーカーの救世主にならず
ディーゼル車の販売減少はガソリン車で補う
By William Boston in Berlin and Eric Sylvers in Milan 2017年9月15日 07:52 JST

欧州でディーゼル車の販売台数が急落するなか、ディーゼル技術に巨額を投資してきた
欧州自動車メーカーは減少分を急いで補おうとしている。
業界の未来とうたわれる電気自動車(EV)は解決策にはならない。少なくとも現時点で
は無理だ。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が欧州自動車メーカーを対象に行った調査
で、EVは依然として需要が小さく、ディーゼル車にすぐに取って代わることはないと
各社がみていることが明らかになった。全ての企業がEVに投資しているが、当面はガソ
リン車の生産やディーゼルエンジンの排ガス対策技術に力を入れていくとしている。

例えば、ディーゼル車への依存度が高いドイツでは、政治家がディーゼル車の販売禁止
を示唆したことで、顧客離れが進んでいる。同国の自動車当局によると、8月のディー
ゼル車の新車販売台数は前年同月比14%減少した。一方、8月のガソリン車の販売台数
は15%増加している。
調査会社LMCオートモーティブによると、ディーゼル車の最大市場である欧州における
ディーゼル車の市場シェアは今年、不正発覚前の53%から約45%に減少する可能性があ
る。一方、欧州のEVとハイブリッド車(HV)のシェアは今年、不正発覚前の2.3%から
4%に増加する見通しだ。
EVの高価格、充電ステーションの不足や使い勝手の悪さ、長距離走行に不向きな点に消
費者は二の足を踏んでいる。自動車メーカーも長年、EV開発には消極的で、ディーゼル
車から消費者を奪うほど魅力的な車種をほとんど販売していない。

●EVの利益率は半分程度
しかし、メーカーはEVですぐに利益を上げられるとは考えていない。ダイムラーの幹部
は11日、投資家に対し、EVの利益率は置き換えられる車種の半分になるとの見通しを示
した。(後略)