さて、現実の問題においては『正』『否』が明確につかないという話がちょっと出てきたが。
ならば、どういう基準で多数決的決定を行うべきなのだろうか?
例えば選挙で代表を送り出すとか。
結果がどうあれ、『納得できる選択』をしたと皆が思えることなんだろうね。
いわゆる『民意を反映した』ってヤツだ。
その議決を受けた結果が、仮に悪い方向に転がってしまったとしても、『自分がそう決めた』んだから責任は自分で負うと。
だが、現実の選挙は真に民意を反映してると言えるのだろうか?
実は時に反映しているとは言えないんだよね。

例えば、こんな例がある。
2000年アメリカ、ブッシュとゴアの大統領選挙。
覚えてる人も居るかと思うが、あれって支持率ベースで言えばゴアの方が優勢だったんだよね。
だが、ゴア支持層が不確定要素で『割れた』。
第三の独立系立候補者、ネーダーがゴアと似たような政治傾向で参入してきたって『ハプニング』があったから何だけど。
勿論、1対1なら、ネーダーはゴアにはもちろん、ブッシュにも勝てなかった筈。
また、同様に1対1なら恐らくゴアはブッシュに勝てた。
つまり、本来はゴア>ブッシュ>ネーダーの関係だっただろう。当然ゴアが最強。
しかし、三竦みになった途端、ゴアはまず第1ラウンドでネーダーとバトる羽目になっちゃった。
で、疲弊しきったところでブッシュと最終的バトル。
これが『初戦』のブッシュは元気一杯、全力同士ならともかく、クタクタのゴアを退けるには十分だったと、そういうことが起こっちゃったって訳だ。
選挙では時としてそういう状況が起こりうる。
ならば、何を評価すべきなのか?
1対1での強さを評価し、それらを順位付けすべきってのがまず思いつく。
そういうルール付けを行おうとした動きは、それより遥か昔の18世紀、フランスのアンシャン・レジーム末期に起こってはいたんだよね。
1対1での結果を考慮した選出法を考案しようと。