2017年9月30日、中国では10月1日の国慶節(建国記念日)から大型連休が始まる。中国メディアによると、連休中の海外旅行客は600万人超と過去最高になる見通しで、人気の旅行先は東南アジアや日本など。在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備で中国の「報復措置」にさらされている韓国はすっかり「蚊帳の外」だ。

今年の国慶節に合わせた連休は、中秋節(旧暦8月15日、今年は10月4日)を挟むため、10月1日から8日までの例年より1日長い8連休。その分、海外旅行を計画する人が増えている。

中国最大の旅行予約サイト・シートリップ(携程)などによると、人気旅行先のトップ3はタイ、日本、シンガポールの順。米国、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、ロシアが続いている。

東南アジア諸国が目立っているが、中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に含まれるチェコ、ハンガリーなどの東欧も新たに注目を集めている。

日本政府観光局(JNTO)の統計データによると、2016年10月の訪日中国人客は50万6159人に達し、うち観光客は43万2718人を占めた。今年10月の訪日中国人客数は昨年を上回る見込みという。

日本について、中国メディアは「日本の地方自治体はさまざまなPR活動を行っており、ドラッグストアをはじめとする小売店や観光地などは外国語サービス提供に向けた人材確保を積極化している」と報道。中国の電子決済システムを取り入れる店が増えていることや、デパートが各種優待券を用意していることなども紹介している。

こうした中、中国人観光客の恩恵にあずかれそうにないのは韓国。中国の観光業を統括する国家旅遊局は中国の旅行業界に対し、今年3月15日から韓国行きの観光商品の販売を全面的に中止するよう口頭で指針を伝えたとされ、中国国営の旅行会社・中国国旅の関係者は「現時点で韓国への団体ツアーは提供されない」としている。

聯合ニュースが伝えた韓国観光公社の統計によると、8月に韓国を訪問した中国人観光客は前年同月比61.2%減の33万9388人。1月から8月までの中国人観光客は287万3566人で、前年同期比48.7%減少した。このため、1月から8月までに韓国を訪れた外国人観光客は886万4182人と前年同期比22.8%減った。

朝鮮半島情勢の緊迫化に伴い、韓国観光公社は増加に転じていた日本人観光客が今後減少する可能性が高いと予測。聯合ニュースは「観光業界では(成長率が上向かない)L型の長期低迷に陥る懸念が高まりつつある」と伝えている。(編集/日向)

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171001/Recordchina_20171001005.html