「帰化人として外国人参政権大反対。中国民主化支持。中共がいる限り、日中友好は日本人の片思いにすぎない。 在日中国人永住も帰化も勇気を出して声をあげよう。人間として少しでも良識が残っているなら、中共をかばってはいけません!」

これは、フォロワー5700人以上、毎度のツイートは数百回転載されている、注目Twitterユーザの地蛋(ジダン)さんのプロフィール文章の一部。地蛋さんは、日本に帰化した中国出身者。十数年前に中国を出て日本の中部地方に渡り、今は日本企業に勤めている。

地蛋さんは、報じられることのない中国国民たちの「生きづらさ」を数十秒〜数分の短い動画とメッセージとともに、伝え続けている。

紹介される動画は、苦境にあえぐ中国国民の日常を映している。当局の強制土地収用に遭い、抵抗したため血まみれになるまで殴られる老人。横暴な警官により屋台を破壊されてしまう露天商。武装警察と丸腰の市民との対峙。地方から来た陳情者でごった返す、北京中心地にある陳情受付事務所(信訪局)など。

情報統制の厳しい中国国内はもちろん、日本国内でも、こうした中国国民の声はあまりマスメディアは取り上げていない。

「とても貴重な映像だ、中国の真実が映っている」「どうして中国はこんな風になってしまったのか」「日本は中国と付き合っていけるのか」と動画を見た日本のTwitterユーザたちは、隣国の状況を憂えている。

なぜ、中国国内の様子を訴え続けるのか。大紀元の取材に応じた地蛋さんは、複雑な想いを語った。

無知と無関心ではいけない

「世の中、無知と無関心はとても怖いものです。本質を知った以上、伝える必要があるんです」地蛋さんはこう述べた。

中国では、共産党当局に「不都合」と見なされた社会現象は封殺されていく。たとえば2015年の夏、人権弱者を擁護し続けた300人以上の弁護士たちが、全国で大量拘束された事件は記憶に新しい。中国国内の閉塞感を世界にさらした。

情報封鎖の厳しい中国国内だが、義憤に駆られた有志者は、ネットを利用して、共産党統治下の中国における問題を伝え続けている。地蛋さんもその一人で、中国のソーシャルサイトの専門グループに所属し、共産党が情報統制する対象となるような動画を、いち早く収集して編集し、拡散させている。

暴走する警察車両が女性を轢いたり、老人にさえ暴力の手を緩めない警官。目に余る動画もある。「本当に嫌な気持ちにはなります。でも良心をもった人権弁護士らは勇気を示しています。彼らだけではなく、民主主義を求める人は大勢います」。

「声を上げ続けている人たちに、とても影響されました。私たちは黙っていてはいけない、言わなければなりません」。

動画や情報の拡散活動は、おもに中国国内のネットで中国人向けに行っている。やがて、日本でも報道されない中国の姿であることに気づき、半年前から、日本人と在日中国人向けにも情報拡散を始めた。

公安の脅しを受ける情報拡散メンバー

「言葉狩り」の激しい中国での活動には、リスクがある。地蛋さんが所属していたグループメンバーにも、公安から恐喝されたとの声が上がった。

数カ月前のことだ。「ある(中国国内)メンバーは、突然、自宅に警官が立ち入り、ネットでの活動を止めるようにとの警告を受けました。奥さんに泣かれて『もう怖い思いをしたくない、やめてほしい』と懇願されたそうです。上海在住の他のメンバーは、職場に警官が来て『これ以上続ければ仕事を辞めさせるぞ』と恫喝された、と聞きました」

近年、中国のネット言論の検閲は非常に厳しくなっている。中国問題を風刺して人気を博したブロガーたちのぺージはほとんど閉鎖された。ソーシャルサイトは実名制が今年10月1日から施行され、ハードウェアには監視システムがあらかじめ導入されている。実際、ネットの発言で逮捕されるケースもある。

2016〜2020年の「第13次5カ年計画」には、新しく「ネット世論の管理、コントロールの強化」が盛り込まれた。TwitterやFacebookなど海外SNSならば、中国当局が「好ましくない」とみなす動画であっても拡散は容易だ。ツイートが消されることも、批判を浴びることも少ない。

http://www.epochtimes.jp/2017/10/28639.html

(続く)