>>1の続き)

「“本名での活動”を提言した、タレントのフィフィさんのツイートは気になっています。もともと水原さんに批判的な感情を持つ人の中には、この提言を攻撃材料として利用する人が現れることが、十分に考えられます。

フィフィさんはご自身もタレント活動をされているので、そのように利用される可能性を想定できたはず。親切心からであっても、慎重に発言すべきだったのではないでしょうか。今の時代、批判の標的とされるのは、もちろん水原さんだけではありません。

また炎上を引き起こす人の数は、ネットユーザー全体から見ればごく少数だと先日も報じられていました。しかし、攻撃を仕掛けてくる側がどんな心理であろうとも、実際に言われた側はたまったものではないと私は思います。何度も何度も、同じような言葉でけなされるわけですから」

とはいえ、いかなるウワサや非難も、一定の時間がたてば、いつしか沈静化する。

「同じ話題に対して、盛り上がれる期間は限られています。現にそうであるように、新しい“なにか”が起こらない以上は話も進展しないため、別の標的に移っていくもの。しかしネット上のデータは記録として残りますし、いざとなれば引き出して、また拡散されていくことでしょう」

また水原が次になにかアクションを起こせば、批判が集まる可能性は高い。そして、それが収まると、別のターゲットが攻撃されるのだろう。人に悪意がある限り、炎上は繰り返し、永遠に終わらないのかもしれない。(門上奈央)

岡本真一郎(オカモト・シンイチロウ)
京都大学大学院文学研究科博士過程(心理学専攻)満期退学。愛知学院大学文学部講師、助教授、教授を経て、現在は心身科学部心理学科教授として教鞭に立つ。『悪意の心理学 悪口、嘘、ヘイト・スピーチ』(中公新書)ほか著書を多数手がける。

(おわり)