筧氏は「あの陛下の御言葉を抜きにしては、当初傲然とふんぞり返っていたマッカーサー元帥が、
僅か三十数分のあと、あれ程柔和に、敬虔な態度になったことの説明がつかない」(『今上陛下と母宮貞明皇后』)
(中略)
しかし一方、日本側にもマッカーサーの発言を裏付ける重要な情報がある。
奥村氏のメモを天皇に届けた藤田侍従長が記した回想録である。
職掌上、そのメモに目を通した同侍従長は、昭和三十六年十月、当時の記憶に基づき、
陛下のご発言の内容を公表した。問題のメモについて、同侍従長は
「宮内省の用箋に五枚ほどあったと思う」と述べ、陛下は次の意味のことをマ元帥に伝えたと記している。
「敗戦に至った戦争の、いろいろの責任が追及されているが、責任はすべて私にある。
文武百官は、私の任命する所だから、彼等には責任はない。
私の一身は、どうなろうと構わない。私はあなたにお委せする。この上は、
どうか国民が生活に困らぬよう、連合国の援助をお願いしたい」
この天皇のご発言に続けて、同侍従長は、「一身を捨てて国民に殉ずるお覚悟を披瀝になると、
この天真の流露はマ元帥を強く感動させたようだ」と述べ、次のようなマッカーサーの発言を記している。
「かつて、戦い敗れた国の元首で、このような言葉を述べられたことは、
世界の歴史にも前例のないことと思う。私は陛下に感謝申したい。
占領軍の進駐が事なく終ったのも、日本軍の復員が順調に進行しているのも、
これ総て陛下のお力添えである。これからの占領政策の遂行にも、
陛下のお力を乞わねばならぬことは多い。どうか、よろしくお願い致したい」(『侍従長の回想』)
(中略)
藤田侍従長の回想とマッカーサー側の発言とは、肝腎の部分でほぼ一致する

昭和天皇・マッカーサー会談の「事実」 | 日本政策研究センター
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2006/06/29(木) 00:00