【ソウル=峯岸博】米軍が朝鮮半島に軍事力を集結させる動きを強めている。戦略爆撃機の飛来や原子力潜水艦の韓国入港に続き、来週には空母も周辺海域に展開する。新たな挑発の構えをみせる北朝鮮をけん制する。

 米領グアムの空軍基地を離陸したB1戦略爆撃機2機は10日夜、日本海上空などで韓国空軍の戦闘機と日本の航空自衛隊の戦闘機とそれぞれ共同訓練を実施した。韓国政府は、米側と9月に合意した爆撃機など戦略兵器の朝鮮半島への巡回展開の一環としている。

 米太平洋司令部は、原子力潜水艦が7日に韓国南部の鎮海(チネ)港に入港したと発表した。今週末には米軍最大級の別の原潜が釜山港に入るとの情報もある。いずれもシリア攻撃に使われた巡航ミサイルのトマホークを搭載できる。北朝鮮が開発を進める潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の動きに対抗するとともに、北朝鮮の挑発に強力に反撃する構えを示す狙いがありそうだ。

 米海軍横須賀基地を拠点とする原子力空母ロナルド・レーガンを含む空母打撃群は、寄港した香港から来週にも朝鮮半島近海に到着し、韓国海軍と共同訓練を実施する。17日から韓国で開催する航空ショーには米空軍のステルス戦闘機F22とF35などが参加。米国の圧倒的な軍事力を誇示し、北朝鮮に核・ミサイル挑発の中止を迫る。


2017/10/11 22:00 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22125840R11C17A0FF2000/