発電所・変電所・製油所など、産業通商資源部(省に相当)が「国の重要施設」に指定している156カ所のうち、152カ所(97.4%)が北朝鮮のミサイル攻撃に無防備であることが分かった。また、相当数が耐震設計になっておらず、政府の「統合防衛指針」に沿った安全・安保装置がきちんと整備されていないことも分かった。

 産業通商資源部は11日、野党・自由韓国党のイ・チョルウ議員に提出した資料で、「当部が『国の重要施設』に指定した重要機関156カ所を全数調査した結果、ミサイル防衛設計になっているのは4カ所だけだった」と明らかにした。ミサイル防衛設計とは、ミサイル爆発による衝撃・被害を減らすため、施設の回りに壁を築いたり、衝撃緩和施設を設置したりすることだ。イ・チョルウ議員は「北朝鮮の核の脅威が深刻になっているのに、ミサイル防衛の設計規定がないため、国の重要施設が外部からの攻撃に備えられるようになっていない。一部の施設で自主的に外国の事例を参考にして防御施設を設けているのが実情だ」と指摘した。

 同部はまた、施設156カ所のうち耐震設計になっていない所が25カ所、施設独自の避難所がない所が14カ所としている。施設独自の避難所があっても、平均収容人数は全勤務者の68%に過ぎないことも分かった。

 国の重要施設に指定されている場所は「統合防衛指針」に基づいて安全・安保関連装備を備えなければならないが、この基準を適切に守っていない機関も多かった。調査では、施設156カ所の勤務者に対してガスマスク保有率は平均17.7%であり、除毒剤保有率は平均32%なっている。爆弾テロに備えて統制室・武器庫などに防弾ネットを設置しているのは54カ所(34.6%)、「外部からの侵入を防ぐために建物の外部に高さ2.7メートルの防火壁を建てなければならない」という基準を守っているのは95カ所(60.9 %)だった。イ・チョルウ議員は「防衛指針が事実上、『守っても守らなくてもいい』と考えられているため、主要施設が外部からの攻撃に無防備になっている。攻撃を受けた時に被害が大きくなる施設は一日も早く防衛指針に沿って対策を整えるべきだ」と指摘した。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者

2017/10/12 09:11 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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