>>1の続き)

高須クリニック院長である高須克弥が、ツイッター上に「ナチスが消滅してもナチスの科学は不滅」「南京もアウシュビッツも捏造(ねつぞう)だと思う」と書き込んでいたことが問題視されているが、これなどは以前であれば社会を揺るがす大きな問題になったはずである。1995年、ホロコーストを否定する記事を掲載した雑誌「マルコポーロ」は、厳しい批判にさらされ、自主廃刊に追い込まれた。

近年、歴史修正主義的な発言に対して、世の中が不感症になっている気がしてならない。「公平性」や「中立性」という名のもと歴史修正主義が幅を利かせていることに、警戒しなければならない。

(中島岳志 なかじま・たけし=東京工業大教授)


中立という名の政治性 虐殺を隠す歴史修正主義 中島岳志
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/rondan/list/CK2017092502000276.html

(おわり)