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本来<地方参政権>は数年前から韓国の統治者らと<民団>の高位層の悪質分子らが朝鮮総連抹殺を企んで、在日朝鮮同胞たちの<日本政治参加>を許容する<権利>を日本当局に要請したことから始まった。

つまり、韓国系の民団が地方参政権運動を進めると、それが実現し民団の影響力を大きくなることを恐れた朝鮮総連と北朝鮮が参政権反対運動を広げたのだ。

北朝鮮の経済難や独裁の実態がだんだん世界に伝わり、所属員が激減している朝鮮総連から見ると、頭の数で優位にいる民団が参政権を獲得し政治勢力化することは大きな脅威に他ならない。ゆえに、反対せざるをえなかったのだ。

いわば反対のための反対ともとれるが、彼らの主張は、地方参政権付与は「民族性の去勢」であり、「韓国と日本が朝鮮総連を抹殺するため進めている政治的謀略」であるというものだ。

参政権付与に反対する総連と北朝鮮には何も言えぬマスコミ 小池批判こそ「反対のための反対」ではないだろうか

日本列島の在日コリアンたちは数十年に渡り、北(朝鮮総連)と南(民団)に分かれ、朝鮮半島の北朝鮮と韓国以上に激しく対立してきた。そして、その中には相手の主張には無条件的に反対をする「反対のための反対」といるものも少なくなかった。

このように当事者たちには複雑な事情がある。そして彼らの意見は一致するものではない。賛成の声がある一方で、古くから強く反発する声も存在していた。しかし「人権」を強調する日本の一部の人たちは当事者たちの立場や経緯は全く考えず、自分たちの立場から見た「善意」だけを持って「他人の尊厳」を語る。

本当に参政権付与反対が「不寛容」と「多様性の否定」であるというのなら、参政権付与を反対してきた朝鮮総連と北朝鮮にも批判の声をあげるべきではないか。しかし、これに言及する日本のマスコミは皆無だ。

小池氏の反対は「悪い反対」で、朝鮮総連の反対は「いい反対」でもあるというのか。それとも小池氏の政策協定書に対する批判も「反対のための反対」に過ぎなかったのだろうか。

崔 碩栄 (チェ・ソギョン)
ジャーナリスト
1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。
著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

(おわり)