通貨危機前には家計が銀行からお金を借りることは今のように容易ではなかった。銀行が家計よりもっと「お金になる」大規模の企業融資にこだわっていたためだ。1997年の家計負債(家計貸出+販売信用)の規模は211兆2000億ウォン(約20兆9000億円)で、家計の仮処分所得の61%水準だった。

しかしながら、通貨危機は銀行の貸出現状を大きく変えた。企業が相次いで倒れたことによって大金を貸した銀行も軒並み潰れることになったからだ。銀行はその後危険分散の効果が大きい個人向け貸出しに集中し始めた。2008年以降、低金利が固定化し、家計融資はさらに急速に増えた。

家計負債規模はことしの4〜6月期末基準で1388兆2914億ウォンに、1997年比で6.6倍ほどに増加した。しかし、仮処分所得は同期間2.7倍ほどの増加に留まった。これによって仮処分所得に対する家計負債の比率は153%水準へと悪化した。債務返済の負担がそれだけ増えたわけだ。

ただ、超低金利で銀行全体家計融資のうち、不良債権比率は昨年0.3%台から今年0.2%台にむしろ下がった。

問題は、金利が短期間で急激に上昇した時だ。米国がことし政策金利を引き上げ始め、韓国内の銀行の住宅担保融資金利も上昇傾向にある。銀行の住宅担保ローン金利は1年間で0.5%上がった。米国の追加金利の引き上げが韓国銀行の基準金利の引き上げにつながる場合、市場金利はさらに上昇する見通しだ。

韓国銀行によると、負債返済能力が落ち家計負債の返済遅滞が懸念されるおそれのある世帯は昨年基準で126万3000世帯に及ぶ。全体負債世帯の11.6%で、彼らが保有する負債は186兆7000億ウォン規模に達する。

専門家は韓国に再び危機が発生すれば、家計負債の危機がもたらされる可能性が高いとみている。

高麗(コリョ)大学経済学科の申寛浩(シン・グヮンホ)教授は「政府の強力な不動産規制政策が市場に打撃を与えるのと同時に、金利が短期間で急激に上がる場合は家計負債部門が最も脆弱だろう」と話した。


2017年10月13日09時37分
http://japanese.joins.com/article/341/234341.html?servcode=300&;sectcode=300