◆日本に自由に出入りする「北朝鮮工作員」驚くべき実態 私が出会った北朝鮮工作員 第2回

核やミサイル開発で、毎日のようにニュースを騒がせている、北朝鮮。
しかし、北朝鮮の脅威はすでに、あなたの隣に迫っているかもしれない……。
日本にも数多く潜伏しているとされる北朝鮮の工作員たち。
彼らはいったい何者で、どんな生活を送っているのか。
元工作員たちへのインタビューを重ねてきた報道記者・作家で『スリーパー 浸透工作員』の著者でもある竹内明氏が、自らの目で見、直接話を聞いた、彼らの実像を語ります。

動画:https://youtu.be/rlU78RyMQbs

(中略)

■ 日本人拉致にも使われた手口

準備を重ね、新月の夜を選んで、海岸の復帰地点から北朝鮮へ――。
こうした手法は、日本人拉致にも使われていたと、金元工作員は明かした。

「日本人を拉致していくのにも、工作員の復帰と同じ手法が使われていました。
街中で拉致するのではなく、大抵は海岸線にいる人を拘束して、半潜水艇に乗せていました。
そのまま北朝鮮に連れていくこともあったし、沖合で大型の工作母船に乗せかえて連れていくこともありました。
韓国は軍や警察の警戒が強かったのですが、日本は海上保安庁や警察の警戒も甘いですから、はるかに簡単でした。
特に70年代や80年代は甘かった。無防備といってもいい。だから拉致が行われたのです。
韓国と比べれば、日本は工作員にとって天国です」(金元工作員)

日本が北朝鮮工作員たちにとって、気軽に潜入できる場所だと考えられていたことは別の場所でも耳にしたことがある。
私が取材した、北朝鮮工作員と接触した経験のある在日朝鮮人男性も「北の工作員は、『日本にタバコを買いに来た』と軽口を叩いていた」と証言していた。

金元工作員は、対南工作(韓国国内での扇動工作)を専門としたので、日本人拉致には直接、関わってはいない。
だが、拉致を実行した工作組織の先輩や同僚たちから、彼らの手法についての話を聞いていたという。

「不意に襲い掛かられて、世の中に抵抗しない人はいないでしょう。
だから、強力な麻酔剤を持参して、布にふくませて鼻に押し当て、意識を失わせた後、袋に入れて運んでいたのです」(金元工作員)

■ 利用される「土台人」たち

さらに、金元工作員は日本が北朝鮮工作員たちにとって活動しやすい場所である理由を、こう指摘した。
「日本は工作活動の環境が整っている。
警戒が甘いだけではなく、朝鮮総連や民団の中に工作補助をさせられる人間もいるし、日本人になりすましている我々の工作員もいる。
外見が似ているので怪しまれることもない」(金元工作員)

日本に浸透した工作員にとって一番必要なのは、一時的な定着先(隠れ家)と活動資金である。
これを在日朝鮮人から提供を受けるというのである。
独り暮らしは怪しまれやすいため、できれば住宅の一室などを間借りするのが望ましいとも金元工作員は話した。

だが、在日朝鮮人の人々が、誰もみなもろ手を挙げて工作員を歓迎するわけがない。
平穏な暮らしを送っているのに、見ず知らずの工作員に協力などしたくないという人のほうが普通だろう。

それを見越して、工作員は周到に準備を重ねる。ターゲットになるのは、北朝鮮に親族がいる「土台人」と呼ばれる在日朝鮮人たちだ。
工作員は彼らの自宅を訪問する。そして、こんなことを言うのだ。

「平壌にいるお兄さんの家族にお会いして来ました。よろしくとおっしゃっていました。
私に協力していただければ、お兄さんの一家は末長くお幸せです」

工作員は1枚の写真を見せる。写真には兄の一家が写っており、その中心に、目の前にいる工作員が一緒に写っているではないか。
見せられた本人は青ざめるだろう。これは土台人に対する、典型的な脅迫だ。
工作員は「協力しなければ、兄一家は不幸になる」と暗に脅すわけだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/13749842/

※続きます