中国が北朝鮮と並んで台湾を問題視し始めた。

9月6日、生粋の“台湾独立派”として知られる頼清徳(らい・せいとく)台南市長が、行政院長(首相に相当)に就任した。その頼院長が、9月26日から始まった立法院(国会)で、突然「台湾独立」を声高に主張したのだ。

「立法院で“独立”を言い出すのは前代未聞です。この発言に中国共産党幹部は『頼清徳のこのたった一度の妄言だけで、台湾出兵を決断するに足る』とまで言い切り、台湾海峡は風雲急を告げ始めました」(中国ウオッチャー)

その台湾では現在、日本統治時代の建物が観光地となっている。かつて蒋介石率いる国民党軍による徹底的な破壊から逃れた物ばかりだ。

1999年には台湾中部をマグニチュード7.6の巨大地震が襲い、昨年には南部で同6.6の地震があったが、国民党時代に建てられた建築物が次々と倒壊していくなかで、日本統治時代の建造物が無事だったことは台湾で大きな話題となった。

日本人縁の観光地も

「日本統治時代の建築は基礎も造りもしっかりしているので長持ちし、70年以上が経過したいまでも台湾に多くが健在です。しかし、老朽化が進んでいるのも事実で、リノベーション中の建築物は多いのですが、そのほとんどが原型や良さが尊重されています。ですから日本人なら誰もが郷愁に浸れるはずです」(在日台湾人ジャーナリスト)

こんな逸話もある。

「日本統治時代、台湾の嘉義県の派出所に赴任した森川清治郎という警察官は、役人と匪賊(やくざ)が二重に税金を搾取していたことに義憤にかられ、村人のために立ち上がりました。匪賊掃討を行い、寺子屋を設けて学問を教え、農業指導を行うなど尽くしたのです。

最後は、台湾総督府に対して村人への税金軽減を嘆願し、これが受け入れられなかったため抗議の自決を果たしました。その森川氏はいまでは『義愛公』として現地で神様として奉られています。この森川氏の寺廟も観光の一大スポットになっています」(同・ジャーナリスト)

台湾独立阻止の名目で中国人民解放軍が台湾に侵攻し、日本由来の建物の破壊をするのは御免こうむりたいものだ。

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