韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官が12日に国会外交統一委員会の国政監査で、「戦略核と戦術核の違い」をうまく説明できず、物議を醸した数日前のことだ。
ある外交官に会ったところ、日ごろから「康京和長官のファン」を自任していた彼が、意外にも記者に「長官は国政監査をうまく乗り越えなくてはならないのに心配だ」と言った。
若手に属する彼は、前回の大統領選挙で候補だった文在寅(ムン・ジェイン)現大統領を支持しており、康京和長官が任命された時も非常に喜んだという。
彼は「長官は人によく会いすぎる」とも言った。
そして、「予定があまりにも多い。公開される日程は一日1−2件だが、非公開の日程表を見ると、朝から晩まで十数件の予定があることもある。長官はそれも自分がすることだと考えているようだ。外交問題について1人でたくさん勉強しなければならないのに、そういう時間があまりない。
長官室で『この件はどうなったの?』と聞くことがあまりないので、下の人たちも緩んでしまう。以前なら急いで把握して報告しなければならなかったのに、ぐずぐずしていても聞かれない。だからみんな楽になったと言っているが、これが正しいことなのかはよく分からない」と打ち明けた。
国政監査で「今回の秋夕(チュソク=中秋節、今年は10月4日)連休は何をしたか」と問われた康京和長官は、笑って「国政監査に備えて一生懸命勉強した」と答えた。
事実、長官は連休期間中、国政監査の準備に打ち込んでいたし、外交部の幹部たちもその隣で「こういう質問にはこのように答えてください」とアドバイスをたくさんしたそうだ。
国政監査を前にしていれば当然のことと言えばそれまでだが、今回の国政監査に対して外交官たちがいろいろ心配していたのも事実だった。
いつもスケジュールに追われて先送りにしていた勉強を一夜漬けで覚えるには、外交・安保事案の幅はとても広く、内容も複雑なことを誰よりもよく知っているからだ。
「ある所で、康京和長官は『重要事案について報告を受けていない』と言ったが、事前に出した報告書にその内容があった。報告書などをすべて読む時間がないようだ」などとささやかれるようになって既にかなりたった。記者の耳にこのような声が届くくらいなら、外交官たちが外部に言えない話がもっとあるのだろう。
この日の国政監査では、「長官パッシング」(長官外し・長官無視)まで取りざたされた。野党・自由韓国党の洪文鐘(ホン・ムンジョン)議員は「(大統領統一・外交・安保特別補佐官の)文正仁(ムン・ジョンイン)という方のほうが長官のようだ。あらゆる外交問題をすべて決定しているように見える」と言った。
野党・正しい政党のチョン・ヤンソク議員は康京和長官に「(人事で)この人物が絶対に必要なのに、大統領府でダメだというならやめたいと言うべきだ。『私に対してこんなことをするために長官にしたのか』という意気込みが見えなければ、それこそ『長官パッシング』になる。不愉快な話だが、外交部の官僚たちは今、長官ではなく大統領府を見ているそうだ」と述べた。
康京和長官が指名された時、その部下になった外交部の元高官は「学習速度が速く、長官の仕事もうまくやるだろう」と言っていた。康京和長官に必要なのは、学習する時間だけだと信じたい。だから、先に述べた若い外交官の「きちんと資料を読んでたくさん研究すべきだ」という言葉が康京和長官に伝わってほしい。
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政治部=金真明(キム・ジンミョン)記者
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