【ソウル=峯岸博】

韓国の駐日大使に任命された李洙勲(イ・スフン)氏は27日、ソウルで日本人記者団と会見した。ソウルの日本大使館や釜山の日本総領事館前に設置された従軍慰安婦を象徴する少女像について「外交公館の保護に関する国際儀礼や慣行があり、韓国も当然、考慮する必要がある」と表明した。日本の主張も理解する姿勢をにじませた。

日本政府は在外公館の安寧や威厳を守る責務を求めたウィーン条約違反などとして少女像の撤去・移転を求めている。一方で李氏は「日本に行って(韓国の)国民情緒を説明する」とも述べた。

慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意への対応では、年末を予定している外相直属の作業部会の検証結果を踏まえ「政府の公式的な立場を決める」と表明。「この問題が韓日関係の未来志向的な発展が妨げられないよう知恵を絞れないか、政治家や政府関係者らと話し合いたい」と語った。



2017/10/28付日本経済新聞 朝刊
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2279571027102017EA3000/