2018年の平昌冬季五輪でボブスレー・スケルトン・リュージュの試合が行われる平昌アルペンシア・スライディング・センター。同センターでは9日、世界29カ国から来たリュージュの選手約270人が汗を流した。国際リュージュ連盟の規定に基づき、五輪出場選手が平昌のトラックに適応できるよう競技場を公開する「国際練習週間」が行われたのだ。

 大韓リュージュ競技連盟の関係者は「五輪に出場するほぼ全選手が平昌で練習をしている。外国人選手にとって、五輪開催時までに平昌のトラックを滑れる最後のチャンスだからだ」と話した。

 11日までの練習期間が終了すると、同センターを含め平昌冬季五輪の全競技場が「封鎖」される。このように五輪の競技場を全面規制して大会も開かないのは、残り期間中に五輪の準備に専念しなければならないからだ。五輪開催時まで選手たちが競技場に慣れるためのイベント的性格を持つ大会も開催されない。

 各国の国内オリンピック委員会(NOC)による競技場公式訪問も先月末に終了した。このため、先月末の1カ月間だけでドイツ・ノルウェー・カナダなどの冬季スポーツ強国と言われる12カ国のNOCがそれぞれ平昌を訪れ、五輪の競技場を視察した。

 英国からはバイアスロン・アルペンスキー・カーリング・ボブスレー・スケルトン・ショートトラックなどほぼ全種目から協会職員25人が訪れ、競技場関連情報を把握した。10月24日から4日間行われた合同訪問には米国・オーストリア・日本・ロシア・スウェーデンなど15カ国が集まった。

「競技場封鎖」の唯一の例外は韓国人選手団だ。外国人選手たちに対しては封鎖される平昌だが、韓国人選手たちに対しては合宿地となる。韓国人選手団は平昌封鎖期間こそ「ホーム・アドバンテージ」を最大化できるチャンスだと考えている。冬季五輪はコースの難易度・雪質・氷質によって競技力が大きく左右される。競技場にどれだけ慣れているかによってメダルが決まることもある。事実、2014年のソチ冬季五輪や10年のバンクーバー冬季五輪では開催国のロシア・カナダが総合優勝を獲得した。カナダにとっては1924年の冬季五輪出場以来初の総合優勝で、ロシアにとっては20年ぶりの優勝だった。

 大韓ボブスレー・スケルトン競技連盟の関係者は「世界トップクラスの選手たちの技術力は紙一重だ。10回多く滑った経験が0.01秒を決する」と話す。

 また、ホーム・アドバンテージ効果を引き上げるため、韓国の各競技連盟・協会では今年初めに平昌での合宿練習計画をすべて組み込んだ。五輪施設の準備が進められる合間に韓国人選手たちに五輪の舞台で多くの経験をさせようという戦略だ。

 一部種目の国際連盟からは「なぜ韓国ばかり優遇されているのか。全選手に対して公開せよ」という要求が寄せられている。このため、国内の各競技連盟・協会では練習日程も非公開にする方針だ。韓国で初めて開かれる冬季五輪開幕まであと91日となった。

ソク・ナムジュン記者


2017/11/10 10:29 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/11/10/2017111001170.html