>>34
それ、ムチャクチャ鋭いw
間接民主制が最も『理想的』だとも言えるってのは、政治っつーか、前スレの選挙関連で話題にした社会的選択理論で大問題になった。
つーか、社会的選択理論そのものが、ある意味間接民主制に於ける(直接民主制と比較しての)『民意の反映の非効率さ』を問題にしたうえでその解決法を模索したものだとも言えるw
論拠は、Ihkもそれっぽいこと前スレで言ってたような気がするが、ルソー。
ルソー的『人民主権論』では、民主制の『定義そのもの』が直接民主制だったw
だから、ルソー的なものの後継者ならば、本質的には皆『直接民主制派』w
で、その系譜、後継者のうち恐らく最大級の仕事をしてるのが『見落とされた大天才』コンドルセ。
しかし、コンドルセ自身が起草した、ジロント派憲法草案では明らかに『代表制』を採用しているんだがなw
理由は簡単なようでややこしい。
まず大前提。
ルソー流社会契約の信奉者であるコンドルセは、連邦的分割を嫌い共和制を採用した。
ルソー的世界観で生まれる共同体は、『ひとつの分割不可能な共同体』だから、そうでなければいけなかったんだよね。
後は、現実的問題。
連邦制だと、国としての連帯感は弱くなり、他国の侵略からは脆弱となりがち。
欧州みたいな陸続きの土地柄、しかも情勢的に不安定な時代に於いては、確かに共和制が現実的だとも言えたんだよ。
故にコンドルセはこう宣言してる。
『それゆえフランスは共和国として宣言されなければならない、一つの、分割不可能なものとして』
そしてこうも言っている。
『共和国の大きさを考えると、われわれは代表制しか推奨できない』
まあ、そこはルソーからの飛躍なんだが。
そこに関する細かい正当化の議論もあるんだが、細かい話は割愛。
『社会契約論』のかなり深いところの概念使わないといけないから。
ま、簡単に言っちゃうと。
ルソー的共同体には、『一般意志』という概念がある。
俺流解釈で簡単に言っちゃうと、所謂『個』じゃない『公』の考え。
人民が自己利益の追求をひとまず置き『公』に徹した場合に集約されるであろう、最大公約的意志決定。
代表制は、発言者が絞られる故に内容が濃くなる。
そうして、熟議され論点が明確となった議場が辿り着く先が『一般意志』と一致すると仮定しているんだよね、コンドルセは。
但し、ルソー『社会契約論』で該当個所を引用すると
『議場を調和が支配するとき、つまり意見が[満場一致に近づくほど]、一般意志は優勢になる』
本質的には、多数決じゃなく『満場一致』を要求してるwだが、現実的じゃないw
そこは結局妥協点として残っちゃうんだがなw
ま、そこから先の議論、満場一致の代替となる意思決定法が何なのかってのは、コンドルセ自身も答えを出せていない。
まだ続きがあるんだけど、そこは相当長いうえに、アホみたいに数学使うw
ま、別の機会でそのうち話すかと。
ともあれ、直接民主制は未だに『理想』ではあるけど、近代以降の大規模共同体に於いては現実的じゃないと、そういうお話。