韓国内外で人気がなかなか高まらない平昌冬季五輪に、韓国政府が頭を痛めている。政府は聖火リレーや記念行事に文在寅(ムンジェイン)大統領や韓流スター、軍艦、ロボットまで動員。来年2月9日の開幕が迫る大会の雰囲気盛り上げに必死になっている。

大会組織委員会によれば、入場券販売はようやく半数を上回った程度。競技が開かれる江原道江陵(カンウォンドカンヌン)市(スケート競技)、平昌郡(スキー競技)の宿泊予約率は3割に満たない。

もっと注目を集めるため、力を入れているのが11月1日から始まった聖火リレー。12月11日、国立韓国科学技術院(KAIST)が開発したロボット「FX―2」が登場。キャンパスがある中部・大田市でリレーに参加した。

11月14日にはソマリア沖の海賊対策に投入した韓国海軍駆逐艦「文武大王(ムンムテワン)」が聖火を載せ、南部の統営(トンヨン)港から鎮海(チネ)軍港まで運んだ。今後も芸能人や韓国駐在大使らが参加し、内外に大会をアピールする。

江原道庁は8日、韓流スターのチャン・グンソクが自腹で2018枚の入場券を購入し、海外のファン2018人を招待すると発表した。チャン・グンソクは五輪と観光の広報大使も務め、聖火リレーにも参加する。日本などに数多くのファンを持つチャンの知名度にあやかりたい計算だ。

また韓国政府は、大会を盛り上げるコンテンツの提案などにかかわった市民約1万3千人を対象に、文大統領との食事会を企画。15日に招待客20人を発表する。招待客には大統領の記念時計もプレゼントするという。支持率7割の大統領人気にも頼った。


2017年12月14日11時13分/朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASKDF52L9KDFUHBI01J.html