日本を訪れる中国人観光客は年々増加している。円安が一服したことで訪日中国人の伸びも鈍化したが、それでもその数は過去最高を更新するのは確実だ。中国で行われる人気の渡航先調査では日本は常にランキング上位となっており、中国では日本旅行がブームとなっていると言えるだろう。

逆に、日本人の海外旅行先で中国はさほど人気ではなく、むしろ、台湾や韓国のほうが人気となっているのが実情だ。なぜ日本人は中国に旅行に行きたいと思わないのだろうか。中国メディア今日頭条は16日、中国旅行の安全性に対して日本人ネットユーザーから寄せられた意見を紹介する記事を掲載した。

記事は、中国に何度か観光に訪れたことのあるという日本人や、中国への留学経験者、中国人と結婚した日本人などの意見を紹介している。彼らの大半は、中国を訪れる前は「メディアの影響から中国に対してマイナスのイメージを抱いていた」と述べている。

しかし、実際に中国を訪れると意外にも「日本人だからという理由で蔑視されることはない」という意見が見られたとし、逆に、中国人は日本人に興味を抱いていてとても友好的、「鉄道で乗り合わせた見知らぬ中国人から食べ物や飲み物をもらったりした」という意見を紹介した。

日本では中国で見られる反日感情の高まりを強調して報道されるケースがあるゆえに、日本人ということで危険な目に合うのではないかという心配を抱いているなら、そうした意味での「過度な心配は必要ない」と皆一様に語っている。

しかし、「治安よりも心配すべきなのは食品や空気だ」とする声や、日中の歴史的背景ゆえに「中国の文化に対する敬意を表すことや、歴史的心情に対する配慮は必要である」という指摘もされている。

ゆえに、日本に居るのと同じ感覚で中国の街中を観光するのはいささか心配があり、日本人は「食品の衛生や安全性については日本以上に気をつける必要があると懸念している」ことを紹介した。

中国には日本では味わえない雄大な自然などが多数あるものの、旅行の醍醐味の1つである食事は記事も指摘しているとおり、安全性が懸念されているため心から楽しむことが難しい。

また、ゆっくり落ち着いて旅を楽しみたいと思っても、健康被害の懸念がある大気汚染を心配する必要があり、心休まらない旅になってしまいかねない。こうした点が中国旅行の人気がなかなか高まらない要因となっているのは間違いないだろう。


2017-12-20 22:12
http://news.searchina.net/id/1650206?page=1