>>275
何もかも、物憂い。
語り尽くすこともできず
目は見飽きることなく
耳は聞いても満たされない。
かつてあったことは、これからもあり
かつて起こったことは、これからも起
こる。
太陽の下、新しいものは何ひとつない。
見よ、これこそ新しいと言ってみても
それもまた、永遠の昔からあり
この時代の前にもあった。
昔のことに心を留めるものはない。
これから先にあることも
その後の世には誰も心に留めはしない

わたしコヘレトはイスラエルの王とし
てイェルサレムにいた。天の下に起こることを全て知ろうと熱心に探究し、知恵を尽くして調べた。神は辛いことを人の子らの務めとなさったものだ。
わたしは太陽の下に起こることを全て見極めたものだが、見よ、どれもみな空しく風を追うようなことであった。